2013 Fiscal Year Research-status Report
血管内皮前駆細胞の増幅・分化ニッチを構築する血液細胞の同定とその分子機構の解明
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25461091
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
増田 治史 東海大学, 医学部, 准教授 (50278496)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 血管再生 / 血管内皮前駆細胞 / 単球 / Notchリガンド |
Research Abstract |
末梢血単核球中の未分化血管内皮前駆細胞(Endothelial Progenitor Cell = EPC)の増幅・分化培養による評価系開発に成功した(特願第2012-218206号)。本培養系を用いて、末梢血単核球中CD34+細胞分画の未分化EPCの分化、増幅に対するCD34-細胞分画の細胞間クロストークにおいてNotchシグナルの関与を探索した。成果として、1)幹・前駆細胞の分化・増幅に関係するNotchシグナル抑制剤のγsecretase inhibitor添加した末梢血単核球の本培養においてEPC分化増幅能の抑制が認められ、Notchシグナル系が重要であることが判明した。2)次に、Jagged-1(Jag-1)またはDelta like-4(DLL4)の中和抗体を添加し末梢血単核球のQQ培養を実施した。Jag-1抗体はEPCの増幅よりも分化を抑制し、DLL4抗体は分化よりも増幅をそれぞれ抑制した。3)CD34-細胞分画の中で単球(CD14+細胞)、リンパ球(CD3+細胞)、その他の細胞(CD34-/CD3-/CD14-細胞)の各細胞群とCD34陽性細胞の共培養を行い、EPC分化、増幅における責任細胞群を同定した。結果、CD14+細胞との共培養系においてCD34+細胞の機能性EPCコロニーが著増した。この結果は、EPCの分化・増幅能においてCD34細胞とCD14細胞との細胞間クロストークが存在することを意味する。以上の結果から、CD34+細胞のEPC増幅、分化において単球系の貢献が重要であり、その機構としてCD34+細胞のNotchリセプター及び単球系のJag-1やDLL4リガンドの発現が想定される。次年度以降は、CD34+細胞のEPC増幅・分化におけるCD34+細胞と単球系のNotchシグナルの重要性を検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1) EPC (CD34+細胞)の分化・増幅におけるCD34-細胞中の単球(CD14+細胞)の促進効果を見い出した点、 2) EPC (CD34+細胞)の分化・増幅における細胞間機能性分子としてNotchシグナルの重要性を見い出した点、 以上は、今後の研究計画遂行における基盤研究成果であり、次年度以降の円滑な研究計画の実施に繋がると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
1)平成26年度は、EPC増幅・分化における責任細胞の単球(CD14細胞)と未分化EPCのCD34+細胞間のNotchシグナルを探索する。 (1) 末梢血単核球より分画採取したCD14細胞におけるNotchリガンド(Jag-1、DLL4及びDLL1)、CD34+細胞におけるNotchリセプターの発現を定量的PCRやFlow Cytometryにより確認する。 (2) Jag-1、DLL4またはDLL1のsiRNAを導入したCD14細胞とCD34+細胞の共培養、あるいはこれらのNotchリガンドの各中和抗を添加したCD14細胞とCD34+細胞の共培養を実施し、CD34+細胞のEPC増幅・分化能抑制効果を検討する。 2)平成27年度は、Jag-1、DLL4またはDLL1のsiRNAを導入したCD14+細胞とCD34+細胞の混合細胞群、または共培養細胞群をBalb/cヌードマウスの下肢虚血モデルを作成し、虚血下肢に移植することにより、その血管再生能を生理学的、組織学的に対象細胞移植群と比較する。 3)以上の研究により、EPC増幅・分化に寄与する責任細胞分画の単球とCD34+細胞のNotchリガンド・リセプターシグナルによる細胞間クロストークの重要性が証明され、本研究課題の目的達成が可能となる。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Autologous G-CSF-mobilized peripheral blood CD34+ cell therapy for diabetic patients with chronic nonhealing ulcer.2014
Author(s)
Tanaka, R. Masuda, H. Kato, S. Imagawa, K. Kanabuchi, K. Nakashioya, C. Yoshiba, F. Fukui, T. Ito, R. Kobori, M. Wada, M. Asahara, T. Miyasaka, M.
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Journal Title
Cell transplantation
Volume: 23
Pages: 167-179
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Ex-vivo expanded human blood-derived CD133+ cells promote repair of injured spinal cord.2013
Author(s)
Kamei, N. Kwon, S. M. Alev, C. Nakanishi, K. Yamada, K. Masuda, H. Ishikawa, M. Kawamoto, A. Ochi, M. Asahara, T.
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Journal Title
Journal of the neurological sciences
Volume: 328
Pages: 41-50
DOI
Peer Reviewed
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