2014 Fiscal Year Research-status Report
血管内皮前駆細胞の増幅・分化ニッチを構築する血液細胞の同定とその分子機構の解明
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25461091
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
増田 治史 東海大学, 医学部, 准教授 (50278496)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 血管内皮前駆細胞 / Notch リガンド / 単球 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的;ヒト血管内皮前駆細胞(endothelial progenitor cell= EPC)の分化、増幅に及ぼす細胞間分子機構として、単球 (CD14+細胞)と未分化EPC (CD34+細胞)との責任Notch ligand/receptorを解明することを目的とした。 方法及び結果;ヒト末梢血単核球のEPC増幅・分化培養(QQ培養)細胞について、flow cytometryによる解析の結果、CD14+細胞中Notch ligandの発現細胞について、Delta like-1 (DLL-1) (9.55%)、Delta like-4 (DLL-4) (2.02%)、Jagged-1 (0.15%)の順に陽性率が高かった。また、CD34+細胞中のNotch receptorの発現細胞についてはNotch-1 (29.4%)とNotch-2 (27.1%)は同程度であった。Notch ligandのCD34+細胞のEPC増幅に与える影響について、G-CSF投与にて動員されたヒト末梢血CD34+細胞のQQ培養細胞のEPCコロニーアッセイを実施した。その結果、CD34+細胞のコロニー形成性EPC産生率について、対照群 (1.0%)とJagged-1群 (1.1%) に比較して、DLL-1 (1.7%)及びDLL-4 (2.1%)が高値を示した。また、分化度については、対照群 (56.9%)とJagged-1群 (52.1%) に比較して、逆に、DLL-1 (41.7%)、DLL-4 (7.9%)と低値を示した。 考察;単球及び未分化EPCにはNotch ligand及びreceptorが発現しており、各Notch ligand単独での効果について、Jagged-1については、発現細胞も少なく不明であったが、DLL-4は未分化EPCの分化抑制的に増幅促進し、DLL-1は未分化EPCの分化は抑制せずに増幅を促進することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)ヒト末梢血に含まれる単球の未分化EPCの増幅・分化に及ぼす細胞間分子機構において、単球に発現するNotch ligand及び未分化EPC(CD34+細胞)に発現するリセプターを同定した点。 2)各Notch ligandの未分化EPCの増幅・分化活性に果たす役割を検出できた点。 以上の成果により、最終年度の実験計画が下記のように明確になった点において、最終年度は予定通り研究を遂行できると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
1)末梢血または臍帯血より未分化EPC(CD34+細胞)及びCD14+細胞及びTリンパ球(CD3+細胞)、または、細胞傷害性リンパ球(CD8+細胞)、ヘルパーTリンパ球(CD4+細胞)、さらには、制御性Tリンパ球(CD4+/CD25+細胞)を採取する。CD14+細胞にヒトDelta like-1、Delta like-4、Jagged-1のshort haiarpin RNA lentivirus vectorによりtransductionを行い、CD34+細胞とQQ培養を実施する。これらのNotch ligandの発現を抑制することによるEPCの分化、増幅への影響をEPCコロニーアッセイ及びflow cytometryを用いて評価する。 2)EPCの分化、増幅が抑制されたNotch ligandについて、同様にQQ培養を実施し、ヌードマウスの下肢虚血モデルに移植する。レーザードップラーによる血流改善評価を実施し、さらに、組織学的に血管再生の定量的評価を実施する。以上により、特にCD14+細胞のNotch ligand-receptorシステムを介した単球のEPCの分化、増幅に貢献する機能を解明する。
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[Journal Article] Vasculogenic conditioning of peripheral blood mononuclear cells promotes endothelial progenitor cell expansion and phenotype transition of anti-inflammatory macrophage and T lymphocyte to cells with regenerative potential.2014
Author(s)
H. Masuda, R. Tanaka, S. Fujimura, M. Ishikawa, H. Akimaru, T. Shizuno, A. Sato, Y. Okada, Y. Iida, J. Itoh, Y. Itoh, H. Kamiguchi, A. Kawamoto, T. Asahara.
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Journal Title
J Am Heart Assoc.
Volume: 3
Pages: e000743
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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