2015 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮前駆細胞の増幅・分化ニッチを構築する血液細胞の同定とその分子機構の解明
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25461091
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
増田 治史 東海大学, 医学部, 准教授 (50278496)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 血管内皮前駆細胞 / CD34 / Notchシステム / 血管再生 / 単球 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的;末梢血由来血管内皮前駆細胞(endothelial progenitor cell= EPC)の未分化EPC (CD34+細胞)からの分化、増幅において重要な、単球 (CD14+細胞)とCD34+細胞との細胞間クロストークのNotch ligand/receptorを解明することを目的とした。 方法と結果;ヒト末梢血単核球由来EPC増幅・分化促進培養細胞のflow cytometryによる解析の結果、7日間培養期間中のNotch ligandの発現について、全単球中のJAG1、DLL1、DLL4を発現する単球の割合は、いずれも3日目が最高となったが、JAG1、DLL4の0.5%、3.4%に対して、DLL1が35.2%と著しい高値を示した。また、CD34+未分化EPCと各LigandのRNA干渉を目的としたshRNAレンチウイルスを導入したCD14+細胞を各々共培養し、培養細胞のEPCコロニーアッセイを実施した。JAG1及びDLL4のshRNA導入群では、対照群に比較して相違は認めなかった。DLL1のshRNA導入群では、対照群に比較して、EPCの分化が12.5%に、EPCの増幅が44.6%まで抑制された。CD34+細胞は、Notch-1 (29.4%)とNotch-2 (27.1%)を発現しており(前年度の結果)、CD34+細胞からのEPCへの分化・増幅において、単球に発現するNotch ligand (DLL1)とCD34+細胞のreceptorのNotch ligand/receptor系による細胞間クロストークが重要であることが判明した。 考察及び展望;本研究は、血液細胞間クロストークによるヒトEPCの分化・増幅機構を世界で初めて解明した点、当該のNotch シグナル活性化によるヒトEPCの分化・増幅促進効果による血管再生療法の開発に繋がる点において意義深い。
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Research Products
(2 results)