2014 Fiscal Year Research-status Report
ヒト心臓幹細胞からの心筋分化誘導法の樹立~心疾患テーラーメイド医療へのシナリオ~
Project/Area Number |
25461118
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
細田 徹 東海大学, 創造科学技術研究機構, 准教授 (50608601)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 心臓幹細胞 / 体性幹細胞 / 心筋分化誘導 / 再生医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、開心手術症例の心臓組織片を研究用サンプルとして、c-kitを発現する心臓幹細胞の単離と培養を行った。細胞選別の特異性は、c-kit受容体に対する免疫染色により確認した。 心筋分化誘導法として、低吸着性のディッシュを用いた浮遊培養や、細胞の播種密度を変化させた培養系、V字底の96ウェルプレート等を使用した他、Nature Protocols (2014) 9:1662-81に発表された、マウス及びラットのc-kit陽性心臓幹細胞に対する心筋分化誘導法の援用を試みた。 また、心筋細胞との共培養による心筋分化誘導を試みるため、予めヒト核抗体による特異染色を確立した上で、ヒト心臓幹細胞とラット心筋細胞との共培養を試した。異なる比率の組み合わせでトライし、心筋細胞そのものの拍動は観察されたが、サルコメア・アクチンに対する染色が不良で、期待した成果は得られなかった。その後、心筋分化のマーカーとしてアルファ・アクチニンの特異的な染色を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前項に記載の通り、本年度も、新たに種々の異なる方法を導入して試みたが、残念ながら、明らかな心筋分化誘導は果たせなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
昨今、iPS細胞の心筋分化誘導については、方法論が確立されて来ており、一部は商業化もされている。iPS細胞をポジティブコントロールとして、こうした方法を心臓幹細胞に転用することで、心筋分化誘導の可能性を探る。そこから、更にプロトコルの最適化を目指す方針である。 当初の研究目的で述べた通り、iPS細胞から誘導される心筋と比較し、心臓幹細胞の分化によって得られる心筋細胞の方が、本来の性質を保持していることが期待され、体外でのツールとして用いる場合でも、その有用性が高いと考えられる。
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Causes of Carryover |
今年度、新たな心臓組織サンプルを得る機会に恵まれず、新鮮組織片からの幹細胞の単離・培養の機会が当初の計画よりも減ったため、この作業に用いる試薬等の経費に差異が生じた。 新たなサンプルが得られなかった点については、凍結組織片の使用、及び、既に培養・凍結保存された培養幹細胞を溶解・再培養して研究に用いた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
推進方策で述べた通り、次年度、iPS細胞の分化誘導法の援用を試みる予定で、ポジティブコントロールとしてのiPS細胞の購入や、必要な試薬等の調達に充てる計画である。 また、共同研究先であるハーバード大学のPiero Anversa教授の研究室に赴き、同様の実験に携わる研究者らと直接に話し合って解決策を模索する予定で、次年度使用額の一部を渡航費用として使用する計画である。
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Research Products
(17 results)
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[Journal Article] Response to letter regarding article "inositol 1,4,5-trisphosphate receptors and human left ventricular myocytes".2014
Author(s)
Signore S, Sorrentino A, Ferreira-Martins J, Kannappan R, Shafaie M, Del Ben F, Isobe K, Arranto C, Wybieralska E, Webster A, Sanada F, Ogórek B, Zheng H, Liu X, Del Monte F, D'Alessandro DA, Wunimenghe O, Michler RE, Hosoda T, Goichberg P, Leri A, Kajstura J, Anversa P, Rota M.
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Journal Title
Circulation
Volume: 129
Pages: e510-e511
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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