2013 Fiscal Year Research-status Report
漢方薬の有効性に関連した非結核性抗酸菌のジェノタイプ・プロテオミクス解析
Project/Area Number |
25461159
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
佐野 千晶 島根大学, 医学部, 准教授 (70325059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨岡 治明 島根大学, 医学部, 教授 (40034045)
多田納 豊 島根大学, 医学部, 助教 (70432614)
礒部 威 島根大学, 医学部, 教授 (70284198)
金廣 優一 島根大学, 医学部, 助教 (60609197)
三浦 聖高 島根大学, 医学部, 助教 (90646986)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 非結核性抗酸菌 / 漢方薬 / ジェノタイプ / 化学療法 |
Research Abstract |
本年度は,Mycobacterium avium complex(MAC)感染症患者からの菌を分離培養し, 遺伝子型(ジェノタイプ)の解析をVariable Number of Tandem Repeat(VNTR)法により行った。順次,菌株数を追加し, 対象症例を肺MAC症に限らず, 気管支洗浄液(BAL)や胃液からの分離菌についても検討した。 PCR法(コバスTaq Man)でMycobacterium aviumと同定されたにもかかわらず, VNTR法での解析ではMycobacterium aviumとMycobacterium intracellulareどちらのプライマーでも反復配列が検出されなかった菌株が2株認められた。更に,菌株数を増やし,臨床背景, 治療に用いられた化学療法剤との検討を進めつつある。また, 遺伝子型と薬剤感受性との関連性を明らかにするため, VNTR解析パターンと微量液体希釈法による最小発育阻止濃度(MIC)の相関について検討を行った。これまで,薬剤感受性試験については,抗酸菌用の培地である7HSFを用いて行っていたが,昨年度より,CLSIにおいてMueller-Hinton基礎培地を用いたが推奨されたため,これまで既にVNTR解析と薬剤感受性試験の解析を行ってきた菌株についても,CLSIで推奨されているMueller-Hinton基礎培地を用いた系にて追試することとした。その結果,Muller-Hinton基礎培地においては増殖能の低下もしくは不可能な菌株が多数認められ,さらに,MIC値が7HSFを用いた値よりも大きく変動する株が認められた。 漢方薬によるMAC菌増殖への影響を感度よく検出するために, 酸素消費量から菌量を推定するMGIT法の応用について試みを進めつつある。初期菌量や菌調整,ならびに漢方薬の濃度などの設定を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床分離株は65株分離(M. avium; 39株,M. intracellulare; 26株)そのうちの殆どの株について,VNTR遺伝子型別のジェノタイピングは殆ど完了した。現在,さらに臨床分離株を得ており,引き続きジェノタイピングを進める予定である。一方,研究室の改修移転工事のため実験施設が半年以上に亘り使用出来なかったため,臨床材料からの大量の菌の調整が遅れ,昨年度,CLSIで改訂されたMueller-Hinton基礎培地を用いた薬剤感受性試験がこれまでの7HSF培地を用いた場合と判定結果が大きく異なり,精度比較検討を行ったため,研究の進捗が遅れた。しかし,現在,研究室の改修移転工事も終わり,研究を再開できる状態が整いつつあるので,今後漢方薬の有効性との関連を検討していく。
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Strategy for Future Research Activity |
追加菌株のジェノタイプ解析の結果のエビデンスを高めることに加え, 次年度は申請書予定通り, MAC症患者血清におけるサイトカインプロフィールやMAC抗原に対するTh応答能,抗体値を用いて,漢方薬の有効性について解析を行う。 今年度の研究計画がやや遅れたため,試薬等の消耗品費等に残額が発生した.患者血清のプロテオミクス解析関連に次年度は主に支出する予定である。また,論文の投稿に必要な経費も支出予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は, 臨床分離菌の収集ならびにジェノタイプ解析を中心に行い,次年度には,集めた検体を一度にまとめて解析費用のかかるプロテオミクス網羅解析を行うといった,研究効率をあげるための研究計画予定の変更が必要であった。また, 動物実験施設改修工事によって, 動物実験が限られた範囲でしか行うことができなかったため,マウスを用いた動物実験を次年度に予定している。 次年度は,本年度の残額を含め,質量分析などのプロテオミクス解析に必要な試薬, 消耗品の購入費用,ならびに本年度動物実験施設改修のために購入が困難であったマウスを購入する。
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[Journal Article] Efficacy and safety of piperacillin/tazobactam versus biapenem in late elderly patients with nursing- and healthcare-associated pneumonia2013
Author(s)
Karino F, Miura K, Fuchita H, Koba N, Nishikawa E, Hotta T, Okimoto T, Iwamoto S, Tsubata Y, Tada M, Hamaguchi S, Honda T, Ohe M, Sutani A, Kuraki T, Takeyama H, Isobe T
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Journal Title
J Infect Chemother
Volume: 19
Pages: 909-915
DOI
Peer Reviewed
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