2016 Fiscal Year Annual Research Report
The role of sphingosine 1-phosphate signaling in hypersensitivity pneumonitis
Project/Area Number |
25461182
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
土屋 公威 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (10579189)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 過敏性肺炎 / スフィンゴシン1-リン酸 / フィンゴリモド塩酸塩 |
Outline of Annual Research Achievements |
過敏性肺炎ではリンパ組織から肺へのリンパ球流入が炎症反応を促進する。本研究ではリンパ球流入の影響を明らかにすることが有効な治療法開発につながると考えた。当教室で作製したハト糞抽出物(PDE:pigeon dropping extracts)の吸入による過敏性肺炎(鳥飼病)のマウスモデルを用いて、リンパ球循環の過程に重要であるスフィンゴシン1-リン酸(S1P)シグナル伝達系の抑制による影響を検討した。PDEを吸入したモデルマウスにおいて、S1P受容体の機能的アンタゴニストであるFTY720(フィンゴリモド塩酸塩)の投与によりリンパ球、好中球の肺への浸潤が抑制された。また、S1P受容体陽性のTh17リンパ球の肺浸潤抑制を反映して気管支肺胞洗浄液(BAL)細胞中のIL-17A mRNA発現はFTY720投与群で低下していた。しかし、肺線維化の改善は明らかでなかった。 以上よりリンパ球上のS1P受容体であるS1P1をブロックするだけでは肺線維化までは抑制できないと考えられたため、線維芽細胞、血管内皮細胞、マクロファージ上などにも発現している他のS1P受容体サブタイプもターゲットとして、S1P受容体の制御ではなくS1P産生の制御を治療標的とした。SphK1の抑制によりTGF-βを介した筋線維芽細胞への転換による肺線維化を制御できる可能性があるため、SphK阻害薬の投与を同様に行い効果を評価した。しかし、PDE吸入モデルマウスにおいてSphK阻害薬投与による肺線維化の抑制効果は明らかでなかった。なお、本年度未使用額があるまま研究を終了致しました。
|