2013 Fiscal Year Research-status Report
食塩感受性高血圧の成因に関するエピジェネティスク解析
Project/Area Number |
25461244
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
武田 仁勇 金沢大学, 医学系, 准教授 (90242544)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アンジオテンシノーゲン / エピジェネティクス / プロモーター / 転写活性 / メチル化 |
Research Abstract |
1. 副腎皮質H295R細胞におけるアンジオテンシノーゲンの転写活性に重要な領域の絞込み:アンジオテンシノーゲン遺伝子のCpGサイトに関しては上流のUSF1, ESR1, CEBPB,NR3C1, HNF4Aが報告され(Circ Res 2008;103:940), 複数のCpGアイランドが存在している。H295R細胞を用いて, ルシフェラーゼレポーターアッセイを行い、 5’-RACEで同定した各遺伝子のプロモーターを含む連続した5’deletion constructを作製し, 細胞にトランフェックションし, プロモーター転写活性に重要な領域を絞り込んだ。 2. 転写因子と結合領域の同定:絞り込んだプロモーター領域について、TESS (Transcription Element Search System)を用いて、転写因子結合領域(cis-acting element)及び転写因子を推定した。次に、EMSA(Gel shift assay)を行い、in vitroにおけるタンパク-DNA結合を証明した。その際、候補の転写因子に対する抗体を用いてsupershiftを観察し、そのDNA配列(cis-acting element)と候補転写因子との結合を示した。次にルスフェラーゼの5’deletion constructに転写因子結合領域の遺伝子異常を導入し、プロモーター活性の消失或いは減弱することを示した。 3.細胞内における転写因子と結合領域との結合 (タンパク-DNA interaction):ChIP (Chromatin immunoprecipitation assay)を行い、 H296R細胞内におけるタンパク-DNA interactionを証明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していたアンジオテンシノーゲン遺伝子のエピジェネティクス調節機構に関して1. 副腎皮質H295R細胞におけるアンジオテンシノーゲンの転写活性に重要な領域の絞込み 2. 転写因子と結合領域の同定 3.細胞内における転写因子と結合領域との結合 (タンパク-DNA interaction) に関して研究成果が出てきているため。
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Strategy for Future Research Activity |
1. ラットに高食塩食及び低食塩食を投与し血管、心臓、腎臓、副腎におけるアンジオテンシノーゲンのメッセンジャーRNA(mRNA)及びタンパク発現の定量, DNAメチル化状態を測定し, 正食塩食投与ラットと比較検討する。mRNAの定量はreal-time PCR,タンパク発現はウェスタンブロット法を用いる。11β-HSD2酵素活性は3Hでラベルしたプレカーサーを用いてHPLCにて分離し測定する。MR活性は3H-aldosteroneを用いて結合実験により評価する。各因子のプロモーター領域のDNAメチル化状態はバイサルファイトシークエンス法により評価する。 2. アンジオテンシンIIブロッカー, アルドステロンブロッカーを投与し、同様の検討を行う。 3. 食塩感受性高血圧モデル動物を用いて同様に検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定していたAT1R 遺伝子用プライマーの設計に時間を要し、注文できなかった。 AT1R遺伝子用プライマーの費用に充てる
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