2014 Fiscal Year Research-status Report
筋萎縮性側索硬化症原因遺伝子とRNA編集酵素との連関カスケードに基づく治療戦略
Project/Area Number |
25461266
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
詫間 浩 筑波大学, 医学医療系, 講師 (00326258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉岡 晃 筑波大学, 医学医療系, 教授 (50192183)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / ADAR2 / RNA編集 / TDP-43 / TAF15 / 細胞移動 |
Outline of Annual Research Achievements |
孤発性筋萎縮性側索硬化症(ALS)の原因としてグルタミン酸受容体サブユニットGluA2のRNA編集異常が考えられている。本研究ではADAR2と関連するALS原因遺伝子を同定し、ADAR2の発現調節を行う事によりニューロン死を抑制し、ALSの新規治療戦略を構築することを目的としている。初年度にはALS原因遺伝子のうちTDP-43、FUS/TLS、TAF15について野生型ならびに変異型遺伝子をクローニングし、in vivo電気穿孔法に用いるプラスミドを構築した。 今年度は、まず構築したプラスミドを用いて、in vivo電気穿孔法により細胞死や封入体などの病理学的変化が生じるか検討した。TDP-43については既に研究代表者らにより検討済みで、明らかな神経細胞死は生じないが、封入体形成は起こることが分かっている。FUS/TLSならびにTAF15においても本法で細胞死は生じなかった。またFUS/TLSでは明らかな封入体形成も生じなかったが、TAF15においては封入体形成が観察された。さらにTDP-43導入時にも観察されたことであるが、TAF15導入により、側脳室周囲から皮質下への錐体細胞前駆細胞の移動が阻害されている可能性が示唆された。このためADAR2発現調節のみならず、細胞移動も調節する因子が関与している可能性が考えられ、GluA2だけでなく他の遺伝子の関与が疑われた。そこで遺伝子発現を調節するmicroRNAを探索することとし、in vivo電気穿孔法によりTDP-43が導入された脳領域を得、チップにより発現解析を行ない、現在解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞死のみならず、脳の発達に関わる因子が関与している可能性が考えられたため、microRNA解析を手法として用いることとしたため。
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Strategy for Future Research Activity |
microRNAはさまざまな遺伝子の調節を部位や時期別に調節していると考えられ、多くの変性疾患との関連が考えられている。遺伝子の発現とともに、上流でもあるmicroRNAの発現を検討することは、ADAR2を介したALS発現の深層に迫るものと思われる。来年度はチップによる解析結果を受け、microRNAや遺伝子の発現を特定することを目指す。絞り込みにはin vivoにおける発現解析のみならず、ノックダウンなどの併用も検討し、効率的に行う事とする。
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