2014 Fiscal Year Research-status Report
急性骨髄性白血病の微小環境における治療抵抗性機序の解明および克服療法の基礎研究
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25461412
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
南 陽介 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (60513752)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 急性骨髄性白血病 / ヘッジホッグシグナル / 白血病幹細胞 / SMO阻害剤 / 抗がん剤耐性 / がん微小環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)微小環境における治療抵抗性急性骨髄性白血病(Acute Myeloid Leukemia; AML)モデル(主にストローマ共培養系)について、前年までに得られた残存メカニズムに関する結果やその解釈に基づいて、更に妥当な評価モデル系の確立を進めた。 2)Hh(ヘッジホッグ)シグナル阻害剤の効果について検討を継続し、得られた効果が、Hhシグナルを介した効果であることを裏付ける実験を進めた。また近年、SMO/GLIs-axis を介さないnon-canonicalなHhシグナル経路の存在を示唆する報告も多数あり、SMO阻害剤投与に関わるシグナル経路について、マイクロアレイを用いた遺伝子プロファイルの網羅的解析を行い、作用機序の更なる解明とより効果的な克服療法の可能性について検討した。 以上の実験系等により、プライマリーAML細胞のCD34陽性細胞分画(免疫不全マウスで高い白血病構築能を有する)において、Hhシグナルの活性上昇が示された。その分画に高頻度な静止期細胞がHhシグナル阻害剤によって減少し、コロニー形成や免疫不全マウス移植系におけるHhシグナル阻害が白血病再構築能を低下させることが示され(正常臍帯血細胞への毒性は伴わず)、網羅的なDNAマイクロアレイ解析やメタボローム解析によっても裏付けられた。また、PF-913投与によって、静止期細胞の細胞周期回転が促されAra-Cとの併用効果が認められることや、ストローマ共培養下における治療抵抗性が克服されることが示された。これらの結果より、Hhシグナルに対する分子標的療法が、耐性・残存AMLに対する新たな治療戦略となり得る可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計画通り研究は進行しており、網羅的なDNAマイクロアレイ解析やメタボローム解析などによって、興味深い結果が得られている。 学会発表でも採択され、論文化も進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
網羅的なDNAマイクロアレイ解析やメタボローム解析などによって得られた結果について、複数の系や細胞を用いて検証を継続する。 現在論文投稿も進めており、そのなかで得られたフィードバックや指摘などについても検討を進める。
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[Journal Article] Heme-related molecules induce rapid production of neutrophil extracellular traps2014
Author(s)
M Kono, K Saigo, Y Takagi, T Takahashi, S Kawauchi, A Wada, M Hashimoto, Y Minami, S Imoto, M Takenokuchi, T Morikawa, and K Funakoshi
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Journal Title
Transfusion
Volume: 54
Pages: 2811-2819
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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