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2014 Fiscal Year Research-status Report

骨髄系細胞の分化と遺伝子発現におけるC/EBPαとGABPのクロストークの解明

Research Project

Project/Area Number 25461462
Research InstitutionNihon University

Principal Investigator

下川 敏文  日本大学, 医学部, 助教 (10339327)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords血球分化 / 好中球 / C/EBPα / GABP / タンパク質ータンパク質相互作用 / 酵母ツーハイブリッド法
Outline of Annual Research Achievements

本年度は,C/EBPα-GABPによる相乗的転写活性化に関わる新規因子の酵母ツーハイブリッド法による探索及びC/EBPα-GABP相互作用に調節される骨髄系細胞特異的な遺伝子のre-ChIP 法による探索に関し,具体的な条件検討を中心に実験を進めた.その結果以下の研究成果が得られている.
1.前年度論文化したGABPとの会合能を欠損するC/EBPαの欠失変異体及び,GABPとの会合能は保持するがGABPとの相乗的転写活性化能を欠損する変異体CEα-P346Aの誘導型発現ベクターを構築した.それぞれを骨髄系細胞株K562に導入し,好中球分化においてC/EBPα-GABP間の物理的あるいは機能的相互作用能の欠損が,CD15,CD11b,CD89 などの顆粒球マーカーの発現誘導それぞれに異なる影響を及ぼすことを明らかにした.
2.上記の結果を踏まえ,C/EBPα-GABPによる相乗的転写活性化に関わる新規因子を探索するため,C/EBPαのC末端領域に結合する因子を酵母ツーハイブリッド法により骨髄細胞由来cDNAライブラリーをスクリーニングした.予備的実験からすでに有力候補のクローンが得られており,現在これらの解析を進めるとともに,至適化した条件でさらにライブラリーのスクリーニングを進めている.
3.C/EBPα-GABP相互作用に調節される骨髄系細胞特異的な遺伝子のre-ChIP法による探索に関し,U937細胞を用いてクロマチン分断化の至適条件を決定し,re-ChIP法のスタート試料となる分断化クロマチンを大量調製した.re-ChIP時の使用抗体量の検討が終了次第,本実験を行う予定である.
4.本研究成果を専門分野的に最も近い日本血液学会で初めて発表し,また,専門誌の総説でも紹介した(印刷中).

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度前半は,前年度同定したGABPとの会合能を欠損するC/EBPαの欠失変異体及び,GABPとの会合能は保持しつつGABPとの相乗的転写活性化能が欠損する変異体CEα-P346Aを骨髄系細胞株K562に導入し,好中球分化においてC/EBPα-GABP間の物理的及び機能的相互作用能の欠損が,CD15,CD11b,CD89 などの顆粒球マーカーの発現誘導それぞれに異なる影響を及ぼすことを明らかにした.この結果は,C/EBPα-GABP間相互作用の骨髄系細胞分化における役割を明らかにする手掛かりになり,またC/EBPα-GABPによる相乗的転写活性化に関わる新規因子あるいはC/EBPαのC末端領域に相互作用する新たな因子の存在を示唆する.このため,優先して酵母ツーハイブリッド法によるC/EBPαのC末端領域結合因子の同定を進めた.この結果,C/EBPα-GABP相互作用に調節される骨髄系細胞特異的な遺伝子のre-ChIP法による探索及びC/EBPα-GABP相互作用に関わるタンパク質修飾の探索にやや遅れが生じたものの,C/EBPαのC末端領域結合因子の候補クローンの単離が予定より早く進んだ.この間行ったre-ChIP法による探索に関する予備的実験はほぼ完了しており,また,re-ChIPにより沈降した遺伝子領域群からC/EBPαとの会合を介して沈降してくるものを選別するためのGABP変異体導入株(QQL株)は,前年度すでに樹立済みである.外部発表に関しては,当該研究テーマに関して専門分野的に最も近い日本血液学会で初めて発表するとともに,専門誌の総説でもこのテーマに関して紹介できた.以上のことから,総合的に概ね順調に進展していると判断した.

Strategy for Future Research Activity

1.酵母ツーハイブリッド法によるC/EBPαのC末端領域結合因子の同定に関して,決定した至適条件でさらにライブラリーをスクリーニングして候補クローンの数を増やすとともに,候補クローンに関し順次,GABPとの会合能を欠損するC/EBPαの欠失変異体及び,GABPとの相乗的転写活性化能が欠損する変異体CEα-P346AのC末端領域をベイトとした陰性コントロールによる検定を行い,塩基配列のシーケンシングにより結合因子を同定する.
2.C/EBPα-GABP相互作用に調節される骨髄系細胞特異的な遺伝子の探索に関し,re-ChIP法によりC/EBPαとGABPが同時に結合する遺伝子領域を単離し,次いで前年度樹立したQQL株を用いてC/EBPαとの会合能が欠損するQQL変異体では沈降しない領域を選別することにより,C/EBPαがGABPとの会合を介して結合する遺伝子を同定する.今年度樹立したGABPとの会合能に関するC/EBPαの欠失変異体及び,GABPとの相乗的転写活性化能が欠損する変異体CEα-P346Aの導入株を用い,好中球分化においてC/EBPα-GABP間の物理的及び機能的相互作用能の欠損が,これら領域により制御される遺伝子発現に及ぼす影響及びクロマチン修飾に及ぼす影響を調べる.
3.本年度先送りにしたC/EBPα-GABP間相互作用に関わるタンパク質修飾の探索は,GABPの会合領域及びその近傍の修飾アミノ酸候補を置換して,GST pull-down法によりGABPとの相互作用に関与する修飾部位を探索する.

Causes of Carryover

研究の進捗状況に合わせて予算施行計画を少々変更したためである.すなわち,re-ChIP法によるC/EBPα-GABP相互作用に調節される骨髄系細胞特異的な遺伝子の探索に優先して,酵母ツーハイブリッド法によるC/EBPαのC末端領域結合因子の同定を進めたため,re-ChIP法後に単離した領域を検討するためにプロモーター活性測定に使用するレポーター遺伝子アッセイキット及び遺伝子導入試薬等の購入が先送りになったためである.

Expenditure Plan for Carryover Budget

平成26年度の未使用額は,当初の予定どおり次年度のre-ChIP法により単離した領域を解析するためのプロモーター活性測定に使用するレポーター遺伝子アッセイキット及び遺伝子導入試薬等の購入に計上する予定である.

  • Research Products

    (3 results)

All 2015 2014

All Journal Article (1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] IgAレセプター発現と顆粒球分化の転写調節機構2015

    • Author(s)
      下川敏文,布村聡,藤澤大輔,羅智靖
    • Journal Title

      臨床免疫・アレルギー科

      Volume: 63 Pages: 印刷中

  • [Presentation] 骨髄細胞分化におけるC/EBPαのC-末端領域の解析2015

    • Author(s)
      下川敏文,布村聡,藤澤大輔,岡山吉道,羅智靖
    • Organizer
      第64回日本アレルギー学会学術大会
    • Place of Presentation
      グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール(東京都港区)
    • Year and Date
      2015-05-26 – 2015-05-28
  • [Presentation] 好中球分化におけるC/EBPαのC末端領域の解析2014

    • Author(s)
      下川敏文,布村聡,藤澤大輔,羅智靖
    • Organizer
      第76回日本血液学会学術集会
    • Place of Presentation
      大阪国際会議場(大阪府大阪市)
    • Year and Date
      2014-10-31 – 2014-11-02

URL: 

Published: 2016-05-27  

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