2014 Fiscal Year Research-status Report
ペプチドミクスで同定した血管炎の新たなバイオマーカーの臨床的意義の基盤解析
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25461489
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
尾崎 承一 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (00231233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒川 真奈絵 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (90301598)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ペプチドミクス / 血管炎 / バイオマーカー / MPO-ANCA |
Outline of Annual Research Achievements |
アポリポ蛋白質A-IのC末端13アミノ酸残基として同定されたAC13は、顕微鏡的多発血管炎(MPA)において血管炎の増悪に特異的に関わる断片ペプチドであるが、今年度は主としてAC13が微小血管内皮細胞にもたらすシグナルの経路を探索した。皮膚または肺の微小血管内皮細胞をAC13で刺激した際に、無刺激と比較して1.2倍以上に発現が変化した蛋白質の中で、対照とした線維芽細胞では同様の変化が認められなかった9個の蛋白質を用い、ingenuity pathway analysis (IPA)により解析した。上記の9個の蛋白質のうちKCTD12を除く8つの蛋白質(MVP, EF2, HSPA8, GRP75, FSCN1, ENOA, HSP27, PROF1)は直接的、またはHIF1A, RFWD2, ERK1/2, SYVN1, TNF, ERBB2, RELAを介して間接的に相互作用する可能性が示された。以上より、AC13は以前に報告した微小血管内皮細胞におけるIL-6およびIL-8の産生上昇のみならず、TNFによる炎症やERK1/2による細胞増殖・接着の亢進等により、MPAの血管炎を増悪させる可能性が示唆された。 一方、昨年度の血清検体の解析で、ELISAで測定されるAC13濃度とMSイオン強度に基づくAC13量との間に有意の相関関係が認められなかったが、今年度の解析により、本ELISA系では検体中のAC13とアポ蛋白との交差性がわずかに認められ、それが測定結果に影響することが明らかとなった。検体をあらかじめ酸エタノール処理等で除蛋白を試みたが不安定であり、今後血清AC13のマススクリーニングのためにはELISA系の改良の必要があると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来的にはAC13の受容体をクローニングし、その下流のシグナル経路を同定する実験を計画していた。しかし現在のところAC13の細胞への結合が明確に確認されておらず、受容体の同定が難しい状況にある。そのため代替の方法として上記の様に、AC13刺激による微小血管内皮細胞および線維芽細胞における蛋白質の発現変化の比較により、AC13のシグナル経路を探索する解析を行った。またAC13(1523m/z)以外の、MPAで他疾患より血中イオン強度が上昇していたペプチド(1738m/zおよび2503m/z)の同定が難航している。一方、昨年度に明らかにしたMPA患者における血清AC13(ELISA)と腎機能悪化との関連性を、今年度は詳細に解析する予定であったが、AC13のELISA系の有用性を評価する過程で、ELISAに用いた抗AC13抗血清がアポ蛋白と交差性を有しており、それが測定結果に影響することが判明し、除蛋白等の条件の検討で時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
本来予定していたAC13の受容体のクローニングおよび下流シグナルの同定と、上記ingenuity pathway analysis (IPA)から得られた解析結果の探索を並行して行う。AC13の受容体の存在を蛍光標識AC13による微小血管内皮細胞の染色にて確認する。また微小血管内皮細胞の抽出物をAC13カラムにて処理し、結合する蛋白質を同定する。この蛋白質と、上記9個の蛋白質およびIPAで検出された7個の蛋白質との間に発生し得る経路を検索し、経路上の蛋白質について相互作用の有無を確認する。1738m/zおよび2503m/zのペプチドの同定については、新たに複数のMPA患者より血清を採取し、当該ペプチドイオン強度が高い検体を選んで、より感度の高いナノ液体クロマトグラフィー/トリプル四重極-飛行時間型質量分析計を用いて同定を試みる。また、ヒト血清中のAC13のマススクリーニングのために、アポ蛋白との交差性のない、より特異的なAC13のELISA系の構築を行う方針である。
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Causes of Carryover |
年度内に第1報の英文雑誌への投稿を予定し、そのための論文別刷等の費用として5万円を研究計画書に計上していたが、実際は研究経過の遅れから論文投稿に至らず、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度には論文発表を目指して研究を進捗させる予定である。また、研究の展開によっては、特異度の高い抗AC13抗血清を樹立するために、既に計上している実験用動物費等の不足が見込まれるため、それらの補充に充てることも計画している。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Association of IRF5 polymorphism with MPO-ANCA-positive vasculitis in a Japanese population.2014
Author(s)
Kawasaki A., Inoue N., Ajimi C., Sada K-e., Kobayashi S., Yamada H., Furukawa H., Sumida T., Tohma S., Miyasaka N., Matsuo S., Ozaki S., Hashimoto H., Makino H., Harigai M., Tsuchiya N.
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Journal Title
Genes and Immunity
Volume: 1(1)
Pages: 1-2
Peer Reviewed
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[Journal Article] Proteomic analysis of whole glomeruli in patients with IgA nephropathy using micro- sieving.2014
Author(s)
Kojima S, Koitabashi K, Iizuka N, Okamoto K, Arito M, Sato T, Kurokawa MS, Suematsu N, Shibagaki Y, Yasuda T, Kimura K, Kato T.
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Journal Title
Am J Nephrol
Volume: 29
Pages: 36-45
Peer Reviewed
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[Presentation] Novel roles ofr zyxin in the pathogenesis of giant cell arteritis.2014
Author(s)
Karasawa R., Paul A Monach, Tamai M., Okazaki T., Ohishi M., Kodera Y., Sato T., Ozaki S., Kaiyu Jiang, Yudo K., James N. Javis, Peter A. Merkel. :
Organizer
American College of Rheumatology 2014
Place of Presentation
Boston, U.S.A
Year and Date
2014-11-13 – 2014-11-17
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[Presentation] Oxidative modification in myeloperoxidase in patients with antineutrophil cytoplasmic antibody(ANCA)-axxociated vasculitides.2014
Author(s)
Uchida Teisuke, Nagai Kouhei, Sato Toshiyuki, Iizuka Nobuko, Arito Mitusmi, Takakuwa Yukiko, Nakano Hiromasa, Ooka Seido, Kurokawa Manae, Okamoto Kazuki, Ozaki Shoichi, Kato Tomohiro
Organizer
第58回日本リウマチ学会総会・学術集会
Place of Presentation
グランドプリンスホテル新高輪(東京都港区)
Year and Date
2014-04-24 – 2014-04-26
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[Presentation] Protein profiles of peripheral blood monomuclear cells as a candidate biomarker for Behcet’s disease.2014
Author(s)
Yoshioka Takuya, Kurokawa Manae, Sato Toshiyuki, Nagai Kouhei, Iizuka Nobuko, Arito Mitsumi, Takakuwa Yukiko, Nakano Hiromasa, Ooka Seido, Okamoto Kazuki, Yudoh Kazuo, Nakamura Hiroshi, Suzuki Noboru, Ozaki Shoichi, Kato Tomohiro
Organizer
第58回日本リウマチ学会総会・学術集会
Place of Presentation
グランドプリンスホテル新高輪(東京都港区)
Year and Date
2014-04-24 – 2014-04-26