2015 Fiscal Year Annual Research Report
二本鎖RNAによるプリオン感染促進分子メカニズムの解明
Project/Area Number |
25461514
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
佐野 和憲 福岡大学, 薬学部, 講師 (50534343)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | プリオン / dsRNA / 感染 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでにウイルス感染時の特徴的な干渉現象や自然免疫機構の活動がプリオン感染時においても見られることが証明され、ウイルスなど異常型PrP(PrPSc)以外の因子の関与が示唆されている。本研究では、プリオン病における二本鎖RNAの病態生理学的意義を解明することが目的である。 研究代表者らは、ウイルス由来の二本鎖RNA(dsRNA)と同様の免疫活性を持つ合成dsRNAであるPolyI:C が、野生型マウスにおけるプリオン感染後の発症までの潜伏期間を短縮し、マウス由来神経芽細胞腫細胞株(N2a58細胞)におけるプリオン感染後のPrPSc蓄積を増大することを確認した。一方、一本鎖RNA、二本鎖DNA、LPSは、潜伏期間やPrPSc蓄積に影響しなかった。これらの結果は、dsRNAがプリオン感染を促進し、プリオン病を増悪させる因子であることを示している。PolyI:CによるPrPSc蓄積増大作用は、PolyI:Cを前処置しPBSによる洗浄を行った後のプリオン感染でも観察され、さらに、無細胞系であるPMCA法においても、PolyI:CはPrPSc増幅に対して有意な作用を示さなかった。このことから、PolyI:CのPrPSc蓄積増大作用はPrPScへの直接的な作用によるものではなく、宿主側シグナル分子群が関与していることが示唆された。 dsRNAを認識するTLR3、RIG-I、MDA5などの自然免疫関連因子の発現ベクターをN2a58細胞に導入し、PolyI:C非存在下におけるプリオン感染後のPrPSc蓄積を解析したところ、TLR3、RIG-I、MDA5を高発現させることによって、PrPSc蓄積は増加した。一方、一本鎖RNAを認識するTLR4、LPSを認識するTLR8の導入は、PrPSc蓄積に影響しなかった。また、TLR3、RIG-Iに対するsiRNAのN2a58細胞への導入は、PrPScの蓄積に対して抑制傾向を示した。 以上の結果より、プリオン感染にPrP以外の修飾・補助因子としてdsRNAもしくはdsRNA様因子と、その宿主側シグナル分子群であるTLR3、RIG-I、MDA5などの自然免疫関連因子が働いていることが示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Characterisation of radioiodinated flavonoid derivatives for SPECT imaging of cerebral prion deposits2015
Author(s)
Takeshi Fuchigami, Yuki Yamashita, Masao Kawasaki, Ayaka Ogawa, Mamoru Haratake, Ryuichiro Atarashi, Kazunori Sano, Takehiro Nakagaki, Kaori Ubagai, Masahiro Ono, Sakura Yoshida, Noriyuki Nishida, Morio Nakayama
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Journal Title
Scientific reports
Volume: 5
Pages: 18440
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Rapid and Quantitative Assay of Amyloid-Seeding Activity in Human Brains Affected with Prion Diseases2015
Author(s)
Hanae Takatsuki, Katsuya Satoh, Kazunori Sano, Takayuki Fuse, Takehiro Nakagaki, Tsuyoshi Mori, Daisuke Ishibashi, Ban Mihara, Masaki Takao, Yasushi Iwasaki, Mari Yoshida, Ryuichiro Atarashi, Noriyuki Nishida
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Journal Title
PLoS One
Volume: 10
Pages: e0126930
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant