2015 Fiscal Year Research-status Report
分子生物学的研究・大規模臨床研究・統計解析の集約によるインフルエンザ治療の再評価
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25461577
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石黒 信久 北海道大学, 大学病院, 准教授 (40168216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有賀 正 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60322806)
大庭 幸治 東京大学, 大学院情報学環・学術情報学府, 准教授 (30422926)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | インフルエンザ / ノイラミニダーゼ阻害薬 / 麻黄湯 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的:分子生物学的研究・大規模な臨床研究・専門的な統計解析を一つの研究室に集約することにより、小児のインフルエンザにおいて未だ評価の定まっていない治療法の再評価を行うと同時に、治療法の見直しに結びつく病態解析を行うことが本研究の目標である。 背景:(1) 現在、4種類の抗ノイラミニダーゼ阻害薬がインフルエンザの治療に用いられている。ラニナミビル(吸入薬、1回のみ)、オセルタミビル(内服薬、1日2回、5日間)、ペラミビル(注射薬、原則として単回)、ザナミビル(吸入薬、1日2回、5日間)。これらの薬剤の効果は基本的には同列とされており、剤形(吸入薬、内服薬、静注薬)の特徴に応じた使い分けが提唱されている。(2) 過去に、我々は10歳以下の小児にラニナミビル(吸入薬、1回のみ)あるいはザナミビル(吸入薬、1日2回、5日間)を用いた場合の効果を検証したことがあるが、10歳以下の患者にラニナミビル(吸入薬、1回のみ)を使用した場合に2峰性発熱が有意に多いことを見いだした。(3) 4種類の抗ノイラミニダーゼ阻害薬には、その効果の違いがある筈であり、これを見分けることが臨床上有用である。 具体的内容:約30の協力医療機関を受診したA型インフルエンザ患者を対照として、前向き観察研究を行う。(1) インフルエンザに感染した0-18歳の小児患者をラニナミビル群、オセルタミビル群、ペラミビル群、ザナミビル群の4群に分けて、投与開始から解熱までの時間を主要評価項目として有効性を評価したところ、オセルタミビル群とペラミビル群の効果が有意に高かった。(2) とりわけ、1-5歳にラニナミビルとザナミビルを使用した場合、オセルタミビルあるいはペラミビルを使用した場合に比べて、その効果は明らかに劣った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
(1) 当初、インフルエンザB型ウイルスに感染した小児患者に対する麻黄湯の有効性を検証することが重要なテーマであったが、2014-2015年シーズンにはB型インフルエンザ患者が極端に少なく、従って、麻黄湯の有効性を十分に検証するには至らなかった。(2) 当初、H275Y変異のあるA(H1N1)pdm09ウイルスに感染した小児患者に対する4種類のノイラミニダーゼ阻害薬の有効性を検証することが重要なテーマであったが、(現在判明した範囲では)A(H1N1)pdm09ウイルスに感染した患者はなく、2014-2015年シーズンにはA(H1N1)pdm09ウイルス感染者は極端に少なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) インフルエンザB型ウイルスに感染した小児患者に対する麻黄湯の有効性:2013-14年シーズン、麻黄湯を使用した患者数が18例と不十分であった。2015-16年シーズンも本プロジェクトを継続して、麻黄湯使用患者の症例数を増やしており、現在、その解析中である。 (2) H275Y変異のあるA(H1N1)pdm09ウイルスに感染した小児患者に対する各種ノイラミニダーゼ阻害薬の有効性:2015-16年シーズンにはオセルタミビル、ザナミビル以外のノイラミニダーゼ阻害薬、即ち、ペラミビルとラニナミビルについても同様の検討を行い、現在、その解析中である。 (3) インフルエンザB型ウイルスに感染した小児患者に対する4種類のノイラミニダーゼ阻害薬の有効性:2015-16年シーズンには4種類のノイラミニダーゼ阻害薬(ラニナミビル、オセルタミビル、ペラミビル、ザナミビル)の有効性を検証した。 (4) ノイラミニダーゼ阻害薬の治療下における炎症性サイトカインの変動:インフルエンザ入院患者の入院時と退院時、2峰性発熱をおこした時の血清中の各種炎症性サイトカイン(RANTES, IFN-γなど)濃度を測定して、患者の熱型との関連を解析する。
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Causes of Carryover |
小児のインフルエンザB型に対する麻黄湯やノイラミニダーゼ阻害薬の有効性に関する研究に関しては、当初1000名を目標として計画を立てた。しかしながら、2014-15年シーズンにはインフルエンザB型が流行しなかったために、2015-16年シーズンに改めて患者データを収集した。その解析のための費用が未使用となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2015年度から2016年度に繰り越しとなった予算は、2015-2016年シーズンに収集した検体の遺伝子解析のために用いる予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Regional Differences in Rates of Macrolide-Resistant Mycoplasma pneumoniae in Hokkaido, Japan2015
Author(s)
Ishiguro, N., Koseki, N., Kaiho, M., Kikuta, H., Togashi, T., Oba, K., Morita, K., Nagano, N., Nakanishi, M., Hazama, K., Watanabe, T., Sasaki, S., Horino, A., Kenri, T., Ariga, T., Hokkaido Pediatric Respiratory Infection Study, Group
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Journal Title
Jpn J Infect Dis
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Open-label, randomized, comparative, phase III study on effects of reducing steroid use in combination with Palonosetron2015
Author(s)
Komatsu, Y., Okita, K., Yuki, S., Furuhata, T., Fukushima, H., Masuko, H., Kawamoto, Y., Isobe, H., Miyagishima, T., Sasaki, K., Nakamura, M., Ohsaki, Y., Nakajima, J., Tateyama, M., Eto, K., Minami, S., Yokoyama, R., Iwanaga, I., Shibuya, H., Kudo, M., Oba, K., Takahashi, Y.
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Journal Title
Cancer Sci
Volume: 106
Pages: 891-5
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Clinical and laboratory features of fatal rapidly progressive interstitial lung disease associated with juvenile dermatomyositis2015
Author(s)
Kobayashi, N., Takezaki, S., Kobayashi, I., Iwata, N., Mori, M., Nagai, K., Nakano, N., Miyoshi, M., Kinjo, N., Murata, T., Masunaga, K., Umebayashi, H., Imagawa, T., Agematsu, K., Sato, S., Kuwana, M., Yamada, M., Takei, S., Yokota, S., Koike, K., Ariga, T.
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Journal Title
Rheumatology (Oxford)
Volume: 54
Pages: 784-91
DOI
Peer Reviewed
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