2014 Fiscal Year Research-status Report
iPS細胞技術を用いたガンマグロブリン不応川崎病に対する新規治療標的分子の同定
Project/Area Number |
25461604
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
池田 和幸 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30507786)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜岡 建城 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60189602)
長船 健二 京都大学, 学内共同利用施設等, 教授 (80502947)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | iPS細胞 / 川崎病 / ガンマグロブリン不応 / 血管内皮細胞 / マイクロアレイ法 / 新規疾患モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ガンマグロブリン静注療法(IVIG)反応例および不応例川崎病患者の体細胞からiPS細胞を樹立し、血管、免疫細胞に分化させることにより、新規の疾患モデルの構築を行うことを目的としている。さらに、作製された血管、免疫細胞の遺伝子発現解析を行い、IVIG不応例の細胞において特異的な発現を示す病態関連分子を探索する。得られた候補分子について、in vitroとin vivoの実験系、臨床検体などを用いた検証を行うことによって、新規の治療標的分子を同定することを目標としている。 現在までの研究実績は以下の通りである。 ①疾患特異的iPS細胞の樹立:IVIG反応川崎病2例、IVIG不応症例2例から皮膚組織もしくは末梢血を採取し、疾患由来iPS細胞を既に樹立した。樹立したiPS細胞株の評価は、(1)ゲノムintegrationの解析、(2)OCT3/4やNANOGなどの未分化マーカーの発現、(3)胚様体形成法(EB法)及び奇形腫形成法にて三胚葉への分化能の評価、(4)血管内皮細胞および単球への分化誘導効率、の4点を行うことにより評価を終了した。 ②病態関連分子の探索:樹立したiPS細胞から分化誘導した血管内皮細胞を用いて、IVIG反応川崎病とIVIG不応川崎病における遺伝子発現の差異について、マイクロアレイ法を用いて解析を行った。IVIG不応の病態に関連する候補遺伝子が発見された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1) 疾患特異的iPS細胞の樹立:IVIG不応川崎病2例、IVIG反応川崎病2例から皮膚組織もしくは末梢血を採取し、疾患特異的iPS細胞を樹立しており、達成している。 (2) 病態関連分子の探索:マイクロアレイ解析を用いて、疾患iPS細胞由来血管内皮細胞の解析を行い、IVIG不応に関連のある候補遺伝子を抽出できたため、達成している。 (3) 共培養実験系を用いた病態関連分子の探索:患者iPS細胞由来の単球と血管内皮細胞の共培養実験系を用いた病態関連分子の探索を行う。現在、共培養実験系を作成している段階である。 (4) 病態関連候補分子のin vitroでの検証:(2)で得られたIVIG不応関連候補分子について機能解析を進める予定。
|
Strategy for Future Research Activity |
(3)共培養実験系を用いた病態関連分子の探索:患者iPS細胞由来の単球と血管内皮細胞の共培養実験系を用いた病態関連分子の探索を行う。具体的には、患者iPS細胞由来の単球と血管内皮細胞の共培養に、炎症性サイトカインを添加し、試験管内で病態を再現するモデル系の確立を目指す。また、IVIG不応患者iPS細胞由来の単球と健常人iPS細胞由来の血管内皮細胞、逆に、IVIG不応患者iPS細胞由来血管内皮細胞と健常人iPS細胞由来単球の共培養も試み、IVIG不応患者血管内皮細胞と単球の異常を検証する。なお、川崎病患者特異的iPS細胞から単球への誘導については、既存の方法を用いることにより、既に確立できている。
(4)病態関連候補分子のin vitroでの検証:同定した病態関連候補分子のsiRNA, cDNAの強制発現系を構築し、候補遺伝子のうち病態への関与の疑われる分子の絞り込みを行う。
上記の検討にて同定された病態関連分子は、その遺伝子改変マウスの作製や川崎病モデルマウスとの掛け合わせによる解析にて治療標的分子であるかを検証する研究へと発展させる。また、臨床検体(血清、尿)中の濃度とIVIG反応性との相関などの検討による新規診断法の開発研究に繋げる予定である。
|
Causes of Carryover |
実験計画上、上記金額よりも高額の物品が必要な状況であったため、次年度に繰り越すことに決定しました。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
iPS細胞培養用の培地(ES medium, リプロセル社製)を購入予定。
|
-
-
-
[Presentation] Analysis of the mechanisms of intravenous immunoglobulin-resistant Kawasaki disease using iPS cell2015
Author(s)
Ikeda K, Ameku T, Matsui S, Yahata T, Okamoto-Hamaoka A, Suzuki C, Yoshioka A, Kuchitsu Y, Watanabe A, Osafune K, Hamaoka K
Organizer
International Kawasaki disease Symposium
Place of Presentation
Honolulu, Hawaii
Year and Date
2015-02-03 – 2015-02-06
-
[Presentation] Analysis of the mechanisms of intravenous immunoglobulin-resistant Kawasaki disease using iPS cell2014
Author(s)
Ikeda K, Ameku T, Matsui S, Yahata T, Okamoto-Hamaoka A, Suzuki C, Yoshioka A, Kuchitsu Y, Watanabe A, Osafune K, Hamaoka K
Organizer
American Heart Association
Place of Presentation
Chicago
Year and Date
2014-11-15 – 2014-11-19
-
-
-