2015 Fiscal Year Research-status Report
非侵襲的手法を用いた重症心身障碍児における小腸内細菌増殖の病態解明
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25461636
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
深堀 優 久留米大学, 医学部, 講師 (90299488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 実 久留米大学, 医学部, 教授 (10251802)
浅桐 公男 久留米大学, 医学部, 准教授 (90268946)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 重症心身障害児 / 小腸内細菌増殖 / 水素呼気テスト / 胃食道逆流症 / 胃排出能 / 食道インピーダンス / C13呼気ガス分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は3年間で重症心身障害児45例に対し、非侵襲的検査法である水素呼気テスト機器、呼気ガス分析装置を用いて小腸内細菌増殖(SBO)の罹患状況を明らかにする。これにより重症心身障碍児の消化管運動異常、長期制酸剤内服、経腸剤投与、胃排出能異常などがどの程度の小腸内細菌増殖のリスクファクターとなり得るかを検証する予定とした。
H26年度までの症例に加え、H27年度までに重症心身障害児33例と小児外科領域の疾患でSBOを生じる可能性の高い胆道閉鎖症18の計51例に対してグルコースを用いた水素呼気テストを施行した。各症例の水素呼気濃度をSBO陽性:グルコース投与後45分以内に呼気中水素濃度10ppm以上上昇、SBO疑陽性:グルコース投与後45分以降に呼気中水素濃度10ppm以上昇の判定基準に基づいてSBOの有無を判定すると、重症心身障害児症例では陽性3例、疑陽性6例であった。一方胆道閉鎖症症例では陽性2例、疑陽性2例の結果であった。
以上の研究成果は国内の学会で発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H25年度にグルコースを用いた水素呼気テストの検査手順は確立し、H26,27年度で対象症例を蓄積した。計51例に対し検査を問題なく施行出来た。重症心身障害児のみでは33例であったがほぼおおむね順調に検査症例の蓄積を行うことが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
H25年度にグルコースを用いた水素呼気テストの検査手技を確立し、H26, 27年度とほぼ順調に対象症例を蓄積することが出来た。重症心身障害児症例では水素呼気濃度のばらつきがあり、その予防のため口腔ケアなどを徹底したがH26年度同様H27年度もデータのばらつきが認められた。また異常低値症例を認め、呼気が適切に採取されていない可能性があり重症心身障害児に対する本検査法の限界が示唆された。 一方、胆道閉鎖症症例ではSBO陽性判定症例は根治術後早期、あるいは肝機能悪化症例認められある一定の傾向が認められた。若干の検査症例を追加する予定である。 3年間でほぼ本研究の予定検査症例を確保することが出来た。今後、胆道閉鎖症例を若干追加した後、解析データを整理し研究成果を原著論文として投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
これまでの胆道閉鎖症症例の検査結果の解析を施行すると、術後早期症例と肝不全症例にSBO陽性例が多いというある一定の傾向が認められた。 従って、これまでの本研究の結果を検討すると若干の検査症例を追加することによって本研究成果がより有意義なものになると考えられたたため、来年度の追加症例に行う諸検査の解析に必要な経費を確保したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
追加検査症例に対する検査機器の消耗品費用と最終的なデータ解析後の論文掲載関連の費用として使用する予定である。
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