2014 Fiscal Year Research-status Report
成育限界期の早産児におけるコーチゾル・バゾプレッシン分泌不全の病態解析
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25461638
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
秋山 志津子 東北大学, 大学病院, 助教 (80466549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 直 東北大学, 大学病院, 准教授 (50361100)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 胎児 / 早産児 / 副腎皮質 / コーチゾル / バゾプレッシン / 子宮内炎症 / 脳虚血 / 人工胎盤 |
Outline of Annual Research Achievements |
出生前の子宮内環境に応じた早産児への内分泌ホルモン補充療法を提案するため,本研究は成育限界期の早産児では子宮内環境の未熟性やストレスによって,子宮外環境に適応するための内分泌機能が胎生期にすでに損なわれているという仮説を検証する.そのため本研究期間内には,ヒツジ胎仔を生育限界期で出生させ,胎盤から切離されるストレス,子宮内炎症,および虚血性ストレスがコーチゾル・バゾプレッシン分泌能とその循環動態に与える影響を明らかにする. 平成26年度には妊娠91-97日のヒツジ胎仔を用いて慢性実験系を作成し,ヒツジ胎仔9頭 (炎症群n=4,sham群n=5) に人工胎盤を装着して60-72時間循環管理できた.9例全例で胎生期の炎症負荷前後ならびに人工胎盤装着中にCRH負荷試験を27回実施できた.しかし,妊娠91日で実験を開始した5例中4例では,人工胎盤装着中に心筋の未熟性による後負荷不整合のためAVP負荷試験を行えなかったため,AVP負荷を実施できたのは9例中5例であった.また,この妊娠91日で実験を開始した5例は著しく未熟であった (体重700-800g) ため,大腿動静脈を確保して下大静脈と腹部大動脈にカテーテルを留置できず,そのため胎生期にMicrosphere法で臓器血流分布を測定することはできなかった. 平成27年度は慢性実験を継続するとともに,これまで冷凍保存した血漿検体を用いてACTH, cortisol, cortisone, DHEA-S, AVP濃度を測定して,子宮内炎症,虚血負荷,胎盤切離が胎仔内分泌系に与えた影響を解析する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25-26年の猛暑のため妊娠ヒツジを予定どおり入手することができなかった.そのため虚血群ならびに炎症+虚血群の例数がまだ不十分である.したがって平成27年度はこの2群を中心に実験を行って検体を採取する.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は虚血群ならびに炎症+虚血群を中心に検体を採取して,ACTH, cortisol, cortisone, DHEA-S, AVP濃度を測定して,子宮内炎症,虚血負荷,胎盤切離が胎仔内分泌系に与えた影響を解析する.
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