2013 Fiscal Year Research-status Report
本邦ジューリング疱疹状皮膚炎の血清学的・遺伝学的研究
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25461678
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
大畑 千佳 久留米大学, 医学部, 准教授 (70362712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 隆 久留米大学, 医学部, 教授 (20129597)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ジューリング疱疹状皮膚炎 / 自己免疫性水疱症 / IgA / 表皮トランスグルタミナーゼ / 組織トランスグルタミナーゼ / グルテン / 直接蛍光抗体法 / 自己抗体 |
Research Abstract |
近年、ジューリング疱疹状皮膚炎において、表皮細胞由来の表皮トランスグルタミナーゼ(eTG)とIgAが真皮乳頭層でcolocalizeすることが報告され、欧米のジューリング疱疹状皮膚炎とは異なる特徴を持つ本邦ジューリング疱疹状皮膚炎でも同様の病態であるのかどうか解明が待たれていた。 H25年度、凍結皮膚が使用可能だった14例について、病変部皮膚でのeTGとIgAの局在、colocalizationの有無について蛍光抗体直接法を用いて検討したところ、9例(64.3%)でIgAとeTGが真皮乳頭でcolocalizeしていた。 欧米のジューリング疱疹状皮膚炎では血中に抗eTG抗体と抗組織トランスグルタミナーゼ(tTG)抗体が高率に存在するが、本邦のジューリング疱疹状皮膚炎患者ではこれらの自己抗体についてほとんど検討されていない。 本邦ジューリング疱疹状皮膚炎患者21例について、IgA抗eTG抗体とIgA抗tTG抗体について検討したところ、IgA抗eTG抗体は9例(42.9%)で、IgA抗tTG抗体は2例(9.5%)で陽性であった。さらに蛍光抗体直接法で真皮乳頭でのIgAとeTGのcolocalizationが認められるかIgA抗eTG抗体が陽性であったかのいずれかであったものは、21例中15例(71.4%)であった。 以上より、グルテン過敏性腸炎がほとんど合併しないなど、臨床的に異なる点が多い本邦のジューリング疱疹状皮膚炎において、欧米のジューリング疱疹状皮膚炎に近い病態メカニズムが存在することが推測された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ジューリング疱疹状皮膚炎は希少疾患であるため、試料の蒐集にやや時間がかかったが、少しずつ実験を行い、データを蓄積した。解析はある程度数がまとまってからになるが、全体的な進捗状況としてはおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本邦ジューリング疱疹状皮膚炎患者のHLA解析については、現在データを蓄積中であり、次年度解析予定である。77kDa、50kDa、27kDaの3つのeTG分子についてのリコンビナント蛋白作製についてH25年度から取り組んでおり、次年度完成させる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究で使用する試薬の一部を他の研究費より捻出したため、次年度使用額が生じた。 次年度は一般実験試薬、実験器具、各種抗体などの物品費に155万円、旅費に10万円使用する予定である。
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Research Products
(6 results)