2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25461685
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
門野 岳史 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (80292910)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | IRF5 / 接触皮膚炎 / DNFB / FITC |
Research Abstract |
IRFファミリーは生体防御に不可欠な分子であり、その一員であるIRF5もtype Iインターフェロンに加えて、IL-12p40、IL-6、およびTNF-αなどの炎症性サイトカイン産生を誘導し、Th1型反応とTh2型反応とを調節する重要な分子である。本年度はIRF5欠損マウスを用いて接触皮膚炎モデルを用いた検討を行った。IRF5欠損マウスおよび野生型マウスにTh1型反応を主体とするDNFBを用いた接触皮膚炎を検討したところIRF5欠損マウスは野生型マウスと比較して耳介の腫脹が有意に軽減していた。また、耳介における浸潤細胞の数を計測したところ、IRF5欠損マウスは白血球数が有意に減少していた。一方、Th2型反応を主体とする接触皮膚炎を検討する目的ではFITCを塗布したところ、DNFB塗布の場合と結果が逆転し、IRF5欠損マウスは野生型マウスと比較して耳介の腫脹が有意に増強していた。またIRF5欠損マウスは野生型マウスと比較して耳介における白血球数、肥満細胞数いずれもが有意に増加していた。次にDNFB惹起後の耳介におけるサイトカインの発現をreal-time PCR法を用いて検討したところ、IRF5欠損マウスはIFN-γなどのTh1型反応に寄与するサイトカインの発現が有意に減少していた。一方で、FITC惹起後では、IRF5欠損マウスは野生型マウスと比較してIL-4などのTh2型反応に寄与するサイトカインの発現が有意に増強していた。最後にDNFB感作後の所属リンパ節よりリンパ球を回収し、未感作のマウスに静脈注射した後、DNFBで惹起を行い、耳介の腫脹を評価した。野生型マウスの感作リンパ球をIRF5欠損マウスに移入した場合は通常の場合と同様に耳介の腫脹がみられた。また、逆にIRF5欠損マウスの感作リンパ球を野生型マウスに移入した場合は耳介の腫脹は有意に減弱していた。従って、IRF5欠損マウスにおいてDNFBによる接触皮膚炎が減弱するのは感作相の問題と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
接触皮膚炎モデルを用いた検討に関しては、IRF5欠損マウスおよび野生型マウスにTh1型反応を主体とする接触皮膚炎を検討する目的でDNFBを用い、Th2型反応を主体とする接触皮膚炎を検討する目的ではFITCを用いた。予備実験で得られた結果と同様の結果を得ることが出来、IRF5欠損マウスではTh1型反応が減弱する一方、Th2型反応が増強することが分かった。更に、組織学的評価と、サイトカインに関する評価を行い、概ね生体で見られた減少に相当する結果が得られた。また、adoptive transferの実験を行ったことにより、IRF5欠損マウスにおいてDNFBによる接触皮膚炎が減弱するのは感作相に問題がありそうなところまで結果を得ることが出来、次年度に繋げることができるものと考えられる。一方、メラノーマを用いた実験に関してはまだ充分な結果が得られておらず、次年度の課題となる。
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Strategy for Future Research Activity |
接触皮膚炎モデルを用いた検討に関しては、IRF5欠損マウスにおいてDNFBによる接触皮膚炎が減弱するのは感作相に問題がありそうなところまで結果を得ることが出来ているので、研究計画に沿って更なるメカニズムに迫るとともに、FITCによる接触皮膚炎に関しても同様の検討を進める。一方、メラノーマを用いた実験に関しては例数を重ね、再現性をとるよう務める。
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