2013 Fiscal Year Research-status Report
水道水リチウムと自殺予防:日本全国を対象とした調査
Project/Area Number |
25461734
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
石井 啓義 大分大学, 医学部, 助教 (00555063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺尾 岳 大分大学, 医学部, 教授 (80217413)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | リチウム / 水道水 / 抗自殺効果 / 自殺 |
Research Abstract |
私どもは微量なリチウムの抗自殺効果に注目し、既に大分県内の18市町村における水道水中リチウム濃度と自殺率の間に有意な負の相関があることを突き止め、British Journal of Psychiatry (Ohgami et al, 2009)へ掲載した。この時の研究では、水道水中リチウム濃度の測定点が少ないことと、自殺率に影響を与える可能性のある社会経済的要因、医療的要因、気象的要因、栄養的要因などを考慮していないことが限界であった。そこで次は対象地域を九州全域に広げた。九州全域の118市を対象に、297ヶ所において水道水中に含まれるリチウム濃度を測定し、年間日照量、オメガ3脂肪酸の摂取量などや年間平均所得、年間失業率などさまざまな要因で補正しながら、自殺率との相関を検討した。その結果、大分県、佐賀県、長崎県の3県において、女性の自殺率と水道水リチウム濃度の間に有意な負の相関を認めた。しかし、他の県では相関を認めなかった。今回の研究ではフィールドを日本全域の全市に広げ、自殺率と水道水リチウム濃度の関連をさらに検討することした。今年度は17都道府県で264市の市役所、駅から合計268検体を確保した。これらの検体中の水道水中リチウム濃度は0.1未満~32μg/Lの間に分布しており、地域差の大きなことが再確認された。来年度も引き続き、未採取の市における水道水採取を続けていく。自殺に関連する要因に関しても、さまざまなデータを調査中であり、来年度も続ける。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全国787市のうち、すでに採取した九州地区の118市と、今回採取した264市で合計382市の検体を確保した。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度も引き続き、未採取の市における水道水採取を続けていく。自殺に関連する要因に関しても、さまざまなデータを調査中であり、来年度も続ける。
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Research Products
(7 results)