2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25461757
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
植木 啓文 岐阜大学, 医学部附属病院, 准教授 (60232732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 真美 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (80350859)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ニコチン依存 / 耳介電気刺激 / 副交感神経 / ホルター心電図 |
Research Abstract |
25年度は、バレニクリン治療中の喫煙者と非喫煙者とを対象として、両群にNET-2000による電気刺激を加え、ホルタ―心電図記録により刺激の前後24時間ずつの副交感神経活動量を求め、活動量の変化を見ることを計画した。 当初10名程で副交感神経活動を比較したが、被験者個々の生活リズムを均一にコントロールすることは不可能であることが判明した。そのため、今年度の研究目的を達成するためプロトコールを修正した。つまり、喫煙者10名、非喫煙者10名を対象として、ホルタ―心電図計を装着し、安静10分の後に、NET-2000刺激を加え、さらにその後10分の間安静を保ち、前後10分間ずつの心電図記録から得られた副交感神経活動を比較することとした。 以下に、研究結果を示す。非喫煙者の年齢は33.9 (8.8)、非喫煙者の年齢は31.9 (7.1)。副交感神経活動の指標としてはRR50(%)およびLF/HFを用い、統計検定にはWilcoxonの符号付き順位検定を用いた。全対象者において、NET-2000による耳介刺激前後では、RR50(%)においては11.4 (12.4)から13.9 (12.9)へ(p=0.01)、LF/HFにおいては2.8 (2.0)から2.9 (1.7)へ(p=0.85)変化した。喫煙群では同じく、9.0 (11.4)から10.2 (10.6)へ(p=0.34)、3.3 (2.6)から2.6 (1.4)へ(p=0.36)、非喫煙群では同じく、13.7 (13.5)から17.6 (12.4)へ(p=0.01)、2.4 (1.0)から3.2 (1.9)へ(p=0.09)変化していた。喫煙群と非喫煙群間で、刺激前のRR50(%)とLF/HFには有意差はなかった。 RR50(%)を指標とした副交感神経活動は、NET-2000刺激により両群とも増加し、特に非喫煙群では有意な増加を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時のプロトコールを若干修正したことにより、副交感神経活動におよぼすNET-2000による経耳介迷走神経電気刺激の効果を実証できた。その効果は、非喫煙群において顕著であった。修正後のプロトコールに参加した喫煙対象者は全てバレニクリン治療を受けておらず、禁煙治療のバイアスを除外できた点はより意味のある結果であるかもしれない。 刺激介入前の副交感神経活動の点で、非喫煙群と喫煙群との間では、非喫煙群の方か副交感神経活動が優位であるような印象があったが、統計的には有意なものではなかった。 いずれにしても、耳介の副交感神経系領域をNET-2000を用いて刺激することにより、副交感神経活動の変化がもたらされたことは、今年度の研究目的がほぼ達成できたものと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度は、当初の計画通り、①バレニクリン単独治療群、②バレニクリンと耳介電気刺激併用群、③耳介電気刺激単独群、の3群を設定し、それぞれの群の禁煙維持率を比較する。それによって、耳介電気刺激がバレニクリンと同程度あるいはそれに勝る禁煙維持効果を持つかどうかを確認したい。 さらに25年度は1回だけの耳介電気刺激による副交感神経活動の変化を見たものであったが、26年度は1人の対象者に対して複数回の刺激を行う予定である。そのため、刺激を重ねることにより、喫煙者の副交感神経活動がどのように変化していくのか、つまり、毎回の刺激前後で同活動の反応性が向上するのか、複数回の刺激終了後全体として同活動がどのように変化するのかについても、同時に解析を行いたい。
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Research Products
(1 results)