2013 Fiscal Year Research-status Report
非造影MRIを用いた腹部大動脈瘤破裂予測システムの開発
Project/Area Number |
25461807
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
川田 紘資 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (00585276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 浩史 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (20324311)
兼松 雅之 岐阜大学, 医学部附属病院, 准教授 (40252134)
野田 佳史 岐阜大学, 医学部附属病院, 医員 (60643020)
五島 聡 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (90402205)
櫻井 幸太 岐阜大学, 医学部附属病院, 医員 (90422708)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 非造影MRI / 腹部大動脈瘤 |
Research Abstract |
大動脈瘤とは破裂症例における救命が非常に困難な血管系疾患の代表であるが,現時点では大動脈瘤の増大スピードやサイズ以外に破裂の危険性を予測する因子がない.本研究はその新たな因子となり得る可能性のある大動脈瘤の拍動動態を非造影MRIの画像をもとに解析し,破裂リスクや増大スピードを予測するためのアルゴリズムを開発することを目的としている. 平成25年度にはこの目的を達成するために研究実施計画に沿い,まずボランティアを用いたデータ収集を中心に実験を行った.その結果を踏まえて検討を行い,実際に臨床応用可能なMRI撮像法を確立することに成功した.これにより実際に臨床症例画像の収集を行う事が可能となった. 次にその成果を踏まえ,共同診療を行っている当院心臓血管外科Dr の全面協力を得て,実際に腹部大動脈瘤を患っている患者に十分な説明を行い,同意を得た上で一定数の症例画像収集を行う事が出来た.これが平成25年度中に得られた最大の成果と考えている. 一方で平成25年度中にはこれらの得られたデータを元に画像解析ソフトを開発することも目標の1つとしていたが,その前提となる再現性の高い指標の設定に難渋している.具体的には得られたMRI 画像から作成した3次元再構成像によって出来る球体の中心点から表面指標となる各点の動態追跡によるパワーベクトルや球体表面の形状変化などを数値化する方法を模索したが,十分な結果が得られなかった.そのため平成26年度の出来るだけ早い段階でこれらの数値化,および画像解析ソフトの開発を行い,そのソフトを用いた prospectiveな画像解析および指標の確立を目指す予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究で明らかにしようと試みている点は大きく分けて①大動脈瘤の動態観察に適した撮像パラメータを明らかにすること,②大動脈瘤動態観察定量化指標の決定,③アルゴリズムの精度向上,再現性の確認,④臨床データ解析の4点と考えている. これらのうち,①の大動脈瘤の動態観察に適した撮像パラメーターの確立は現時点で達成することが出来,実際に臨床データの収集に取りかかっている.しかし,大動脈瘤動態観察定量化指標の決定には難渋しており,引き続きこの点についての実験,検討が必要である. 一方で臨床データの収集は周囲の協力も得られ,想定よりも多くのデータが得られる可能性があり,定量化指標を決定する事が出来れば比較的早いペースでその後の解析を行う下地は整っていると考えており,概ね計画通りに研究が進めることが出来ると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
大動脈瘤動態観察定量化指標の決定が現時点でのこの研究の最大の課題であると考えている.またそれを踏まえた解析ソフトの開発については技術的,時間的にゆとりが少ないためすでに開発されているソフトの応用についても検討が必要であると考えている.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の計画通り研究に関連して様々なデータ処理が必要であり,想定していたものと同程度以上のコンピュータおよびその関連部品が必要となった.そのためファントム作成など可能な範囲でかかる費用を出来るだけコンピューター関連機器に回すようにすると同時に,必要な機能を十分に備えた機器を購入したが,その中でも出来る限り安価な製品を選択するよう努力したため次年度使用額が発生した. 今後データがさらに多くなり,その保存,解析が必要になること,またこの研究の目的のひとつであるソフト開発にも十分な費用が必要になることが想定されるため次年度使用楽はコンピューター関連機器購入を中心に使用することを想定している.
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