2013 Fiscal Year Research-status Report
体幹部血管性病変の低侵襲4次元非造影MR血管撮影法の確立
Project/Area Number |
25461891
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | 独立行政法人国立国際医療研究センター |
Principal Investigator |
田嶋 強 独立行政法人国立国際医療研究センター, その他部局等, その他 (50346798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 修二 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (90225756)
河野 真理 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (30318050)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | MRI / 血管撮影 / 慢性腎障害 / 腎動脈狭窄症 / 腹腔動脈狭窄症 / 手術前マッピング |
Research Abstract |
本研究の目的は、現在行われている非造影MRアンギオグラフィをさらに発展させて、従来のヨード造影剤による超選択的血管造影と同等の高画質で精細な体幹部血管性病変の動態観察が可能な非造影MR血管撮影法を確立し、慢性腎疾患患者などの造影剤を使用できない患者の局所血行動態観察に臨床応用することである。 平成25年度は、主にボランティア実験、臨床検査、および4次元動態画像作成の試みを行った(分担:田嶋、河野)。 (1) 非造影MRAの画像背景要素の基礎的検討(主にボランティアでの基礎的データ収集) 計5名のボランティアにて同期法(心電図同期、呼吸同期)の違いによる骨盤部MRAの画質評価を行った.移植腎動脈の血管評価は、通常呼吸同期を併用した非造影MRA法Time-SLIPを使用しているが、患者により呼吸間隔が一定でない場合も多く、撮像時間の延長、画像コントラスト不良の要因となる。移植腎動脈を含む骨盤部血管評価において心電同期併用下の非造影MRAを適用できるか、水成分の抑制が血管描出能にどの程度影響するかを検討した。その結果、通常行われている呼吸同期による画像と比較して、心電同期併用Time-SLIP法は、呼吸間隔に依存せず安定した画像コントラストが得られ、移植腎動脈などの骨盤部動脈の評価における有用性が示唆された。 (2) 臨床検査の施行および4次元動態画像作成の試み 臨床例(上腹部では腎癌の腎動脈、骨盤部では移植腎の腎動脈)にて、4次元動態画像の試験的作成を行った。つぎに、4次元動態画像の作成をおこなうために、BBTI値3~5点(1000~2000の間)を設定して3Dシ-ケンスでのMRA撮像を施行した。その結果、VR表示を基準画像として、これと同期した3方向のMPRが同時に表示させることで、4次元動態観察が可能となった。腎癌の腎動脈では腎腫瘍への血流分布の解明、移植腎動脈の動静脈瘻ではシャント部の詳細な評価において有用性が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は、主にボランティア実験、臨床検査、および4次元動態画像作成の試みを予定し、予定通り行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策について:一定の画質を有する4次元動態画像作成ができたが、臨床検査の症例数が解析にやや不足している。このため、今後は良性/悪性疾患、腹部/骨盤部を問わず、多くの疾患に対して4次元MRAを継続的に作成できるように、臨床検査ルーチン・プロトコルの見直しが必要である。 研究計画の変更あるいは研究を遂行する上での課題:研究代表者の研究施設の異動があり、対象疾患症例群の傾向に明らかな違いがある。すなわち、研究代表者の所属施設では腎移植が行われていない。したがって、今後は移植腎動脈に関する臨床検査はこれまで通り分担研究者の所属する東京女子医科大学病院にて行い、研究代表者の施設では、それ以外の対象疾患を模索する必要がある。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
残額9,791円が発生した経緯:院内行事等により、勤務予定した学会への参加ができなかったため、残額が発生しました。 翌年度分の助成金と合わせた使用計画:6月開催の腹部放射線研究会への参加旅費に充てる予定です。
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