2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25461922
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
荻野 伊知朗 横浜市立大学, 大学病院, 准教授 (20275035)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 浩 横浜市立大学, 大学病院, 講師 (50405007)
大村 進 横浜市立大学, 大学病院, 准教授 (50145687)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 放射線治療 / 画像誘導 / fiducial marker / リン酸カルシウム |
Research Abstract |
1.リン酸カルシウムペーストの練和と食用肉注入 練和方法は、ロック式シリンダーに粉成分を入れたものと練和液をいれたものそれぞれを三方活栓に接続し、シリンダー内に交互に移動させペースト状になるまで練和した。練和時間は、1分が最適であることが判明した。刺入針にリン酸カルシウムペーストの入ったロック式シリンダーを装着し、食用肉ファントムにリン酸カルシウムペーストを注入した。はじめは、23G, 22G, 21G,長さ7 cm のカテラン針を用いたが、いずれも失敗する可能性があったため、20G,19Gのカテラン針も試みた。その結果95%以上確実に挿入を成功させるためには、バイオペックスRの場合、19G以上の太いカテラン針が必要であることが判明した。練和後、氷水で冷やし、固形化を遅らせることにより、どこまで注入時間を延ばせるかも検討した。その結果、氷水で冷やすことなく、練和後3分以内に0.2 ccを3個挿入し、固形化した場合は、再度練和することにした。以上、食用肉に95%以上リン酸カルシウムマーカーの挿入が可能となった。 2.治療計画CT撮影とcone beam CT撮影の照合 0.35 x 10 mm, 0.5 x 5 mm, 0.7 x 5 mm, 1.1 x 5 mm の visicoil 3 種類と 0.8 x 5 mm のoriginal 金マーカー、2 mm立方、3 mm立方、5 mm立方 のリン酸カルシウムマーカーを合成樹脂円柱内に埋め込んだ。ファントム内に合成樹脂円柱を挿入して、治療計画CTとcone beam CTを撮影し、XVIを用いて20 回matchingを行った。リン酸カルシウムマーカーの移動ベクトルは、2 mm立方の平均が0.3 mm(0.22-0.52)、3 mm立方の平均が0.39 mm(0.14-0.67)、5 mm立方の平均が 0.41 mm(0.14-0.65)であった。リン酸カルシウムマーカーの移動ベクトルはいずれも0.7 mm以下で、他のマーカーより移動ベクトルが少ないことを確認した。院内の倫理委員会でリン酸カルシウムマーカーの臨床研究が許可された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細針で石灰化マーカー注入可能にする予定であったが、95%以上確実に挿入を成功させるためには、19Gを用いることが限界であった。それ以外は課題を確実に克服し、1年間で臨床使用が可能となる段階に達した。現在までこの研究は、順調に進展できたと考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
1.臨床研究の適格基準 選択基準を(1)年齢が20歳以上85歳未満の患者、(2)子宮頸がん、口腔がんと病理学的診断された患者、(3)放射線治療による治療歴がない患者、(4)自立歩行ができ、アンケート調査等への回答が可能な患者、(5)本試験の参加に関して同意が文書で得られる患者の全条件を満たすとする。また、除外基準を(1)肉眼で腫瘍部位が明白でない患者、(2)その他、医師の判断により対象として不適当と判断された患者などとする。 2.診療手順 (1)子宮頸癌: (a)局所麻酔後、2.5cc シリンジおよび19Gカテラン針を用いて、腫瘍内部にリン酸カルシウムマーカーを4か所(外子宮孔、子宮頚管、腫瘍左側、腫瘍右側)注入する。(b)外照射前にcone beam CTによる腫瘍変位を確認する。(c)腔内照射前に造影CT撮影、MRI撮影し、腫瘍変位を確認する。(2)口腔癌: (a)局所麻酔後、2.5cc シリンジおよび19Gカテラン針を用いて、腫瘍辺縁にリン酸カルシウムマーカーを5か所(左右、上下、深部)注入する。(b)治療途中縮小時に、毎回cone beam CT撮影しIGRTを行う。以上であるが、症例の多い子宮頸がんから臨床研究を始める。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
バイオペックスRを用いたリン酸カルシウムペーストの練和と食用肉注入実験は、予定より少量のバイオペックスRで成功することができたため、25年度の予算を次年度に回すことができた。リン酸カルシウムペーストRを生体内に挿入する場合は、使用期限を守らなければいけないこと、リン酸カルシウムペーストRの準備後、臨床適応がなくなった場合は、新たなリン酸カルシウムペーストRを準備しないといけないことが判明した。以上より臨床実験では予定より大目のリン酸カルシウムペーストRが必要になると考え、リン酸カルシウムペーストRの購入を次年度に変更した。 バイオペックスRの子宮頸癌患者挿入を開始する。不測の事態が考えられるため、リン酸カルシウムペーストRを当初より大目に準備する。
|