2013 Fiscal Year Research-status Report
悪性神経膠腫の治癒向上を目指した照射法探索のための基礎と臨床の融合型研究
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25461929
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
前林 勝也 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (60332350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新田 雅之 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (70588269)
中村 香織 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (40339023)
河野 佐和 東京女子医科大学, 医学部, その他 (80645820)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 高悪性度神経膠腫 / 放射線抵抗性 / 放射線治療法 / 新規照射法の開発 |
Research Abstract |
膠芽腫は全身の悪性腫瘍の中でも最も予後不良な疾患の一つであり、膠芽腫を含む高悪性度神経膠腫の治療成績も決して十分なものではない。本研究の目的は、放射線治療法が高悪性度神経膠腫の予後不良の原因となっていないかを確認し、さらにより良い照射法がないかどうか検討するものである。そこで、本研究では、まず初期治療として術後に放射線治療を施行した高悪性度神経膠腫の症例の中から、臨床的に再発とデータベースに登録した症例を連続100例以上ピックアップし、再発した根拠の確認とその妥当性を検討した。その中で、画像(MRIやMethionine-PETなど)とその後の経過などから再発に矛盾しないと判断した症例100例程度をその後の研究に用いることとした。次に、高悪性度神経膠腫の再発パターンと放射線治療の照射範囲との関連を確認するために、まずは、後方視的に再発部位が照射野内、照射野辺縁、照射野外かどうか、再発パターンが腫瘤型、びまん浸潤型、播種型かどうか、を後方視的に再発前後のMRI画像からその評価を行った。再発部位が照射野内外か照射野辺縁か判断が難しい症例があり、現在、放射線治療時の治療計画に再発時MRIをFuionし、最終判断をしている段階であるが、途中までの評価では照射野内と照射野辺縁を合わせた部位からの再発が75%程度であり、再発部位の照射線量が不足しているという傾向もはっきりしなかった。照射範囲が不適切なための再発よりも化学放射線治療自体に抵抗性を示すものと判断した。画像評価を進めるとともに、放射線抵抗性の検討を行うために、病理結果からMIB-1 Indexの再確認をしながら、その病理番号からパラフィン包埋ブロックおよび凍結標本の状況を確認し、染色体1p/19qLOH、MGMT遺伝子プロモーターのメチル化、IDH-1/2の変異などの評価を開始可能な状況とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究期間内に電子カルテや画像サーバーの機器変更があり、予想外に再発の確認に時間を要してしまったため、生物学的検討がMIB-1 Indexの確認までの実施となってしまった。しかし、染色体1p/19qLOH、MGMT遺伝子プロモーターのメチル化、IDH-1/2の変異などの生物学的検討が可能かどうかの研究材料(パラフィン包埋ブロック、凍結標本など)の状況が確認できており、平成26年度はじめから研究開始が可能となっている。研究材料が確認できているため、各因子の実験をまとめて行うことができ、期間短縮で行うことが可能であるため、平成26年度中には十分に追いつけると考えている。さらに、研究材料の状況確認と収集をしっかり行ったため、平成26年度以後の生物学的側面からの研究の実施が非常に効率よく進めることが可能であり、平成26年度中には十分に追いつけるもう一つの要因と考えている。つまり、平成25年度の生物学的側面からの研究は、結果が出ているか否かで評価すると、若干遅れていると言わざるを得ないが、3年間の長期展望で見ると、研究材料の状況確認と収集を優先したのはより良い判断であったと考えている。また、放射線治療と再発様式に関する研究は予定通りかやや早めの進行であり、このまま進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
若干の遅れを取り戻すことが最大の課題であり、現在までの達成度に記載したが、生物学的側面からの研究で、もっとも重要な研究材料の現在の状況確認と収集をしっかり行ったため、大きな問題なく予定通りの研究を進めていくことが可能と考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
3年間の長い見地から、染色体1p/19qLOH、MGMT遺伝子プロモーターのメチル化、IDH-1/2の変異などの生物学的側面からの研究よりも、3年間の生物学的側面からの研究に利用する研究資料(パラフィン包埋ブロック、凍結標本など)の状況確認を優先しましたため、次年度使用額が生じてしまいました。その内容は、研究計画調書と研究が遅れてしまった平成25年度の生物学的研究用部分とでほぼ一致しており、核酸解析用機器一式ならびにFISH 法関連試薬、遺伝子変異検索用試薬、PCR 関連試薬部分となります。 また、画像評価は医師2名で行うために当初の予算では画像解析用PCを2台購入する予定としておりましたが、平成25年度では1台のみを購入し、その分を生物学的側面からの研究に回す予定としていたために、ここでも若干の次年度使用額が生じてしまっております。 つまり、生物学的側面からの研究の遅れが、基本的な原因となっております。 平成26年度早々に研究開始を予定している生物学的側面からの研究である、染色体1p/19qLOH、MGMT遺伝子プロモーターのメチル化、IDH-1/2の変異などの実験を行うために、平成25年度の生物学的研究用部分で予算経常しておりました、核酸解析用機器一式ならびにFISH 法関連試薬、遺伝子変異検索用試薬、PCR 関連試薬部分を平成26年度早々に購入予定としております。 また、画像解析用PCの2台中1台分の予算を生物学的側面からの研究に回す予定としておりましたが、平成25年度の経験から1台で2名が評価するのは無理があることが分かりましたので、当初の予定通り画像解析用PCが2台となるように、平成26年度に1台購入する予定としております。
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[Journal Article] Phase II clinical study on intraoperative photodynamic therapy with2013
Author(s)
Muragaki Y1, Akimoto J, Maruyama T, Iseki H, Ikuta S, Nitta M, Maebayashi K, Saito T, Okada Y, Kaneko S, Matsumura A, Kuroiwa T, Karasawa K, Nakazato Y, Kayama T.
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Journal Title
J Neurosurg.
Volume: 119
Pages: 845-852
DOI
Peer Reviewed
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