2013 Fiscal Year Research-status Report
大腸癌における炎症性メディエーターとメチル化異常に着目した新しい治療法の確立
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25462058
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
沖 英次 九州大学, 大学病院, 講師 (70380392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 勝 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30294937)
北尾 洋之 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30368617)
池田 哲夫 九州大学, 大学病院, 准教授 (60585701)
佐伯 浩司 九州大学, 大学病院, 助教 (80325448)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | メチル化 / LINE1 / DNA修復 / 炎症 |
Research Abstract |
ゲノム上に存在するトランスポゾンであるLINE(Long interspersed nuclear element) (長鎖散在性核内反復配列)は、全ゲノムに存在しており、この反復配列におけるメチル化の状態は、ゲノム全体のメチル化を反映する。我々は、食道癌、胃癌、大腸癌においてLINE-1のメチル化状態を検討した。癌組織でLINE-1のメチル化は減少していたが、DNAミスマッチ修復遺伝子の発現が低いMSIの腫瘍では、LINEメチル化の低下の頻度は低く、反対のMLH1などのプロモーターの高メチル化が観察された。この相反するメチル化状態の違いに炎症メディエーターが関与している可能性がある。 現在それぞれのメチル化の異常がどのような炎症メディエーターの多可に左右されているのかをretrospectiveに解析を進めている。さらに、その炎症メディエーターがメチル化を生じさせるメカニズムを演繹的に証明する。具体的には以下の順序で解析を進める ①大腸癌ゲノムのメチル化の検討:大腸癌手術検体のbisufite sequenceによりLINE1のゲノム上に散在するLINE1の中の3ヵ所のメチル化サイトにおけるメチル化の頻度の平均値を定量し、ゲノム全体のメチル化状態を評価すしている。 ②特定のDNA修復遺伝子のメチル化の検討:DNA修復遺伝子であるMTH1ホモログの発現を胃癌組織において検討したとところ、特定の癌で発現が低下しているため、メチル化状態との関係を検討中である。 ③炎症メディエーターの組織、血液内での測定:癌におけるプロスタグランジンやサイトカイン、ケモカイン、ケモカイン受容体などの多可を組織、血液などを使って定量評価している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
LINE-1については現在論文作成中。 また大腸癌のミスマッチ修復との関係についても検討が終了し、論文作成予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通り遂行予定。ただし炎症とDNA修復との関係により特化していく可能性がある。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初予定していた胃癌のLINE1のメチル化の解析が、予定より時間を要し、全予定症例が当該年度では終了しなかった為。 当初予定していた胃癌のLINE1のメチル化の解析を次年度行う為に必要な試薬を次年度繰越額242,672円で購入する
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[Journal Article] Phase II Study of Docetaxel and S-1 (DS) as Neoadjuvant Chemotherapy for Clinical Stage III Resectable Gastric Cancer.2014
Author(s)
Oki E, Emi Y, Kusumoto T, Sakaguchi Y, Yamamoto M, Sadanaga N, Shimokawa M, Yamanaka T, Saeki H, Morita M, Takahashi I, Hirabayashi N, Sakai K, Orita H, Aishima S, Kakeji Y, Yamaguchi K, Yoshida K, Baba H, Maehara Y.
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Journal Title
Ann Surg Oncol
Volume: 7
Pages: 2014
Peer Reviewed
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[Journal Article] LINE-1 hypomethylation, DNA copy number alterations, and CDK6 amplification in esophageal squamous cell carcinoma.2014
Author(s)
Baba Y, Watanabe M, Murata A, Shigaki H, Miyake K, Ishimoto T, Iwatsuki M, Iwagami S, Yoshida N, Oki E, Sakamaki K, Nakao M, Baba H.
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Journal Title
Clin Cancer Res
Volume: 1
Pages: 1114
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Contribution of BubR1 to oxidative stress-induced aneuploidy in p53-deficient cells.2013
Author(s)
Ikawa-Yoshida A, Ando K, Oki E, Saeki H, Kumashiro R, Taketani K, Ida S, Tokunaga E, Kitao H, Morita M, Maehara Y.
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Journal Title
Cancer Med
Volume: 2
Pages: 447
DOI