2015 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌における炎症性メディエーターとメチル化異常に着目した新しい治療法の確立
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25462058
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
沖 英次 九州大学, 大学病院, 講師 (70380392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 勝 独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター), その他部局等, その他 (30294937)
北尾 洋之 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30368617)
池田 哲夫 九州大学, 大学病院, 准教授 (60585701)
佐伯 浩司 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80325448)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | MSI / BRAF / 大腸癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
RAS-RAF-MAP-ERK pathwayにおけるBRAFは細胞増殖に関わるリン酸化蛋白の一つである。BRAF遺伝子変異は様々な腫瘍で報告されており、大腸癌におけるBRAFのV600E変異はBRAF変異の中でも90%を占めている。BRAF (V600E)特異抗体が開発され、免疫組織化学染色によるBRAF(V600E)変異タンパクの検出が検討されている。大腸癌におけるBRAF変異を抗BRAF(V600E)特異抗体で解析し、その意義を検討した。組織からDNAを抽出した254例についてはダイレクトシークエンス(DS)にてBRAF変異の状態を確認した。また大腸癌切除標本の癌部DNAのPCRを行い5のマーカーにおけるMSIを解析した。その結果抗BRAF(V600E)特異抗体を用いた免疫組織化学染色にてBRAF変異タンパクの発現がみられた症例は41/472例(8.6%)であった。DSによるV600E変異は17/254(6.6%)であり、抗BRAF(V600E)特異抗体を用いたBRAF変異の検出は感度100%(17/17)、特異度98.7%(234/237)であった。BRAF変異タンパク陽性例は右側結腸(p=0.0035)、低分化腺癌(p<0.0001)、MSI-H(p<0.0001)に多く認め、BRAF変異タンパク陽性例は予後不良であった(p=0.048)。またMSI-Hは44/472例(9.4%)であった。MSS群においてのみBRAF変異タンパク陽性例が、BRAF変異タンパク陰性例より予後不良であった(P=0.0004)。BRAF変異例ではMSI statusにより予後が異なることが示唆された。
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Research Products
(3 results)