2013 Fiscal Year Research-status Report
マイクロRNA徐放を用いた細胞フェノタイプ制御による新規心不全治療の開発
Project/Area Number |
25462136
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山崎 和裕 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50464227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾野 亘 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00359275)
坂田 隆造 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20325781)
田畑 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50211371)
丸井 晃 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60402856)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 心筋モデリング / 心不全 / マイクロRNA |
Research Abstract |
研究の目的:miRNA局所徐放による心筋細胞フェノタイプ制御及びそれによる心筋リモデリングの抑制効果、機序の解析 研究内容: miRNAを導入する際に用いるゼラチン水和ゲルの最適な組成条件の検討を行った。miRNAは心筋線維化及び心筋リモデリングの抑制の働きを持つmiRNA-29b(miR-29b)を使用し、miR-29bの完全相補遺伝子を組み込ませたdual luciferaseをもつプラスミドを用いた。しかし、ヒト心筋線維芽細胞にこのプラスミド及びmiR-29bを直接導入したところ導入効率が低く、ゼラチン水和ゲルの条件検討にヒト心筋線維芽細胞を用いることは難しいと考えられた。そこで、遺伝子導入に適したCOS-7細胞をゼラチン水和ゲル組成条件の検討に使用することとし、その後ヒト心筋線維芽細胞での検討を行う方針とした。COS-7細胞へは高効率でこのプラスミドを導入できた。次に、miR-29bの長期作用の検討をするために、プラスミドのluciferaseが長期発現する細胞株(安定発現細胞株)を作製中である。 意義・重要性:本邦で主要死因のひとつである末期重症心不全は、心筋肥大・線維化など細胞フェノタイプによる心筋リモデリングが引き金となる。心筋リモデリングにはマイクロRNA(miRNA)が関与しているため、miRNAの発現調節により心筋リモデリングの抑制に繋がると考えた。しかし、miRNAの局所発現は難しく他臓器での有害作用が危惧される。そこで、ゼラチン水和ゲルを局所徐放化システムとして用いることで、心臓局所に効率よく長期間miRNAを発現させうることが可能性となる。心臓局所にmiRNAを局所徐放投与することで、細胞フェノタイプの制御・心筋リモデリング抑制が可能であれば、その機序の解明を進めることで末期重症心不全に対する新たな治療法の手掛かりとなり、移植待機患者数の減少が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
徐放担体としてのゼラチン水和ゲル組成の条件検討に時間を要している。当初、ヒト心筋線維芽細胞で条件検討を行ったが、ヒト心筋線維芽細胞自体へのプラスミド導入効率が低く、条件検討は困難であった。現在はCOS-7細胞で条件検討を行う方針とし、プラスミドを導入し、ルシフェラーゼ安定発現細胞株を作成している。
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Strategy for Future Research Activity |
miR-29bをヒト心筋線維芽細胞へ導入する際の最適なゼラチン水和ゲル組成を可及的速やかに決定する。その結果を用いて、miR-29bを心筋線維芽細胞に導入した際に変化する心筋リモデリングに関わる遺伝子(CollagenyやFibrillinの遺伝子等)の発現抑制効果を評価する。続いて、ゼラチン水和ゲルを用いたラット心筋梗塞モデルへのmiR-29b投与実験を可及的速やかに進めていく。
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Research Products
(14 results)