2013 Fiscal Year Research-status Report
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25462207
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
吉野 義一 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (70323681)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 脳神経各館内治療 / 脳動脈瘤 / 巨大脳動脈瘤 |
Research Abstract |
巨大脳動脈瘤モデルの作成と瘤の経時的増大に及ぼす因子の解析 臨床で蓄積した大型ないし巨大脳動脈瘤の3次元データに対して流体解析をCFD (computed fluid dynamics)の手法を用いて行い、動脈瘤の巨大化や自然の血栓化に関連する因子を検討した。またこれらの3次元データを (CAD) computer aided designの手法で形状を変化させ、その変化に対する流体力学的な影響をCFD (computed fluid dynamics)の手法で解析し、動物実験に対する基礎的なデータとした。 結果1:動脈瘤の大型化に関連する因子として、動脈瘤親血管の血流流速、瘤への流入角度、親血管への瘤の開口部の大きさ(ネック部の面積)、瘤内の血流が再びネック部より流出する際の抵抗が示唆される結果であった。 結果2:瘤内の血栓化を促進する因子として、瘤内での血流のうっ滞が主な要因であると考えられたが、瘤やネックの大きさや血流の流入角度、ネック部の大きさの関連性は明確ではなかった。 結果3:血管分岐部動脈瘤では血管側壁動脈瘤に比較して、血流によって動脈瘤の壁面に生じるずり応力に平均で約3倍高い値を示していた。一方で血流のうっ滞は血管側壁動脈瘤で生じやすい傾向にあり、瘤内血栓は側壁動脈瘤で生じ安いと示唆されたが、臨床より得られたデータではそのような明確な傾向は見られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、臨床例の巨大脳動脈瘤のデータを用いて流体解析を行い、どのような形態的特徴を持つ動脈瘤が巨大化しやすいか、またどのような条件で瘤内の血栓化が生じやすいかの解析を行っている。今後これらのデータを基にして実験モデルへ適応、最適化を行っていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
巨大動脈瘤増大因子の検証と血管内治療の効果の解析 血管シリコンモデル及び動物の脳動脈瘤モデルで巨大動脈瘤を実験的に作成し、先進的な血管内手術手法で治療して治療効果を判定しする。初年度に得られた動脈瘤増大因子の検証を行う。次に血管内治療による動脈瘤の増大抑制効果に関して、流体力学的(CFD)及び動物実験では病理組織学的に解析する。また複数種類の塞栓物質を用いて治療し、巨大脳動脈瘤の治療における最良の塞栓物質の選択、組み合わせを明確にし、治療戦略の理論を導き出す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現在全体の実験計画の遂行は計画通り順調であるが、予定していた動物実験が、臨床データを用いた予備的基礎実験において当初の仮説とやや異なる結果を示し、脳動脈瘤モデルの形状について基礎実験のデータを積みます必要が生じ、動物の購入や飼育といった予算の履行が遅延している。また購入予定であった流体解析ソフトが当該年度以降にバージョンアップされることになり、購入計画が次年度に持ち越されている。 実験計画に沿って動物実験を開始する。予定頭数は変更なく予算の履行は予定通り可能である。 実験計画に沿って流体解析ソフトを最新バージョンに更新し、新たなワークステーションを導入する。費用は据え置かれており、これら更新による予算の履行は予定通り可能である。
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