2015 Fiscal Year Annual Research Report
RANKL/RANKをターゲットにした炎症制御による新規脳梗塞治療法の開発
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25462214
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
島村 宗尚 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座准教授 (60422317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗波 仁美 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (10638555)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 脳梗塞 / マクロファージ / ミクログリア / 炎症 / RANKL / RANK / OPG |
Outline of Annual Research Achievements |
H25、H26年度において我々は、リコンビナントRANKLの脳室内投与および末梢投与が脳梗塞の拡大を抑制することを報告したが、一方で、脳梗塞後にも内因性のRANKLは増加しており、このようなRANKLは脳梗塞の拡大を抑制しているのか不明であった。また、OPGノックアウトマウスでの脳梗塞の拡大抑制がRANKL/RANKシグナルによるものかも明らかではなかった。そこで、今年度はRANKL/RANKシグナルを抑制した場合の脳梗塞への影響を検討した。当初、RANKノックアウトマウスを用いた検討を行うことを検討していたが、RANKノックアウトマウスではB細胞数が減少していることが報告されていることが明らかとなり(Osteoporos Int, 2011)、RANKノックアウトマウスを用いた検討では脳梗塞後の炎症を正確に評価することが困難と想定された。そこで、RANKLの中和抗体であるRANK/Fcキメラを用いて、RANKL/RANKシグナルを抑制し、脳梗塞に与える影響を検討した。脳梗塞2時間前に脳室内にRANK/Fcキメラを4 μg/2 μlで投与し、野生型マウス、OPGノックアウトマウスにて検討した。3日目での脳梗塞サイズを比較したところ、野生型マウス、OPGノックアウトマウスいずれにおいても、RANK/Fcキメラを投与したマウスにおいて、非投与群に比較して脳梗塞サイズの増加が認められた。また、炎症性サイトカインの発現をmRNAで確認したところ、TNFα、MCP-1の発現はRANK/Fcキメラ投与マウスにおいて増加していることが確認された。このことから、脳梗塞後に内因性に増加しているRANKLも脳梗塞の炎症を抑制しているとともに、OPGノックアウトマウスにて脳梗塞の拡大が抑制されている機序がRANKL/RANKシグナルを介した炎症の抑制であることが明らかになった。
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