2015 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄幹細胞移植によるペリサイトの再生が実験的脊髄損傷の機能回復をもたらす
Project/Area Number |
25462227
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
佐々木 祐典 札幌医科大学, 医学部, 講師 (20538136)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鰐渕 昌彦 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (30343388)
三上 毅 札幌医科大学, 医学部, 講師 (30372816)
中崎 公仁 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (70722461)
坂井 拓朗 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (80639229)
佐々木 雄一 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (00570136)
鈴木 淳平 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (00572596)
森田 智慶 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (60723343)
浪岡 愛 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (60748995)
浪岡 隆洋 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (70748996)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 脊髄損傷 |
Outline of Annual Research Achievements |
脊髄損傷においては、外傷によって生ずる組織内の出血、虚血、浮腫などが引き起こす微小循環の機能不全によって複雑な病態生理を呈し、神経組織が壊死することが機能障害(運動麻痺)などの原因となる。特に、損傷部周囲生じる浮腫は、今までは、血液脊髄関門を構成する血管内皮細胞とアストロサイトの損傷・破綻によると考えられてきたが、最近、血液脊髄関門を構成するもう一つの細胞である周皮細胞(ペリサイト)の役割に注目が集まっている。
本研究では、実験的脊髄損傷におけるペリサイトの動向を観察し、さらに、骨髄幹細胞移植により、ペリサイトの損傷を抑制することで、神経組織内の微小循環調節系における重要な機能単位である血液脊髄関門の再生をターゲットにした新たな治療法を開発することを目的として、ラット実験的脊髄損傷に対する骨髄幹細胞の静脈内投与による神経機能回復のメカニズムに血液脊髄関門の安定化が強く関与することを検証することを主目的とするものである。
本研究費によって、脊髄損傷作成機器を用いて、SDラットに対して、脊髄圧挫モデルを作成し、胸髄(Th10)レベルに直接損傷を加える動物実験モデルの作成を行った。予備実験より、与えるインパクトによって脊髄損傷の重症度、損傷機能が変化することが判明していたので、本年度は、損傷程度と運動神経機能の相関に関わる行動学的データを収集してきた。行動学的評価には、Basso Beattie. Bresnahan (BBB) スコアを用いた。さらに、観察期間終了後に、ラットを灌流固定し、凍結組織切片を作成し、免疫組織学的解析を行い、血管系の再構築を検証した。さらに、corticospinal tract、raphespinal tractのsproutingの検証、および、光学顕微鏡・電子顕微鏡による再有髄化した軸索の解析、Diffusion Tensor Imagingによる修復された神経線維の解析も行った。
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Research Products
(4 results)