2013 Fiscal Year Research-status Report
機能的脳神経疾患の放射線治療:マイクロビームX線による選択的神経細胞死の応用
Project/Area Number |
25462259
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
近藤 威 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (50273769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲村 英二 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30225388)
水川 克 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (80403260)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 放射線治療 / 高輝度放射光施設 / 放射線壊死 / マイクロビーム / ラット |
Research Abstract |
兵庫県播磨の高輝度光科学研究センター(SPring-8)のBL28B2第2光学ハッチを用いた。線量計測 用イオンチェンバー、マイクロスリットとこれの位置合わせ機構、ハッチ据付のメインゴニオメータの上に 載せた実験動物、照射位置確認用の画像検出器の順で配置し、ハッチ据付のX線シャッタで照射時間を制御して、すだれ状マイクロビームを実験動物に照射した。 実験動物として、正常ラットマイクロビーム(「すだれ状」および「格子状」)照射による正常組織変化、特に、大脳皮質各層の神経細胞について、マイクロビームのピーク線量を 110Gyに固定して実験を行った。 ビーム幅(10-100um)・ビーム間隔(200-1000um)の条件を設定し、免疫染色を行なった。単位面積当りの神経細胞脱落が指標となり、同時にグリア系細胞とストレス 蛋白発現について、評価した。 結果として、正常組織でのvalley部分、すなわち非照射領域の反応は、その構築は基本的には破壊されずに保たれていることがわかった。脳組織では神経線維のネットワークが分断されて多少の神経細胞の退行変性が生じているかもしれず、マクロで見て若干の脳萎縮は生じていることは観察された。しかしながら、照射後急性期には目立った変化はなく、1週間程度かかって、peak領域の細胞脱落がはっきりとしてきて、これは数ヵ月後でも変化なく存在していた。正常脳では反応性アストロサイトがvalley部に広範囲に出現しており、valley部では損傷脳周囲の再生反応がミクロレベルで生じていることが予想される結果となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
スプリング8にて、実際に照射実験を行い、解析に必要な充分量のサンプルを作成することが出来たから。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度の実験で得られたサンプルの解析を進めるとともに、新たな動物実験モデル(神経機能疾患)を対象とした照射実験を開始する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2013年度に予定されたスプリング8ビームライン割り当ての時間が、計画立案当初よりも少なく、結果として事件動物(消耗費)の経費が少なくなったため。 2014年度上半期における実験にて、前年度にできなかった、照射実験を行う。
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Research Products
(1 results)