2013 Fiscal Year Research-status Report
損傷を受けた神経細胞に対する麻酔・鎮静薬の毒性に関する検討
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25462407
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
安藤 富男 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員教授 (00193110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
紙谷 義孝 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (90381491)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 神経損傷 / GABAA受容体 / 鎮静薬 / NKCC1 / アポトーシス |
Research Abstract |
傷害を受けたニューロンでは、Catio- Chloride- Cotransporter発現の変化によりGABAA受容体刺激が興奮作用をもたらす幼若化が起きることが知られており、この興奮作用が細胞の修復と同時に細胞死増強にも働くことが報告されている。本研究では、成体のラットを用いた神経損傷モデルにおいて、ミダゾラム、プロポフォール投与によってGABAA受容体刺激作用を介して、障害を受けたニューロンの神経細胞死を増強するかどうか、増強する場合はそのメカニズムと予防法を解明することを目的としている。すなわち、本研究の臨床的意義は、頭部外傷や脊髄損傷などの急性期において、人工呼吸等の集中治療管理のために鎮静薬としてGABAA受容体刺激薬を使用することが神経損傷に対して不利に働く危険性について検討することである。 当初は脊髄前根損傷による脊髄前角細胞の細胞死などを検証する計画を建てたが、手術手技の検討では、手術手技が非常に難しく、特に後根を温存することが困難であった。このため、前根、後根が合流したより末梢においてL5神経根を引き抜き損傷するモデルに変更し、手術手技の修得を計った。これまでの実験から短時間に安定してL5引き抜き損傷を作成する手技を修得した。損傷後数日の動物から脊髄を摘出し、L5相当レベルの脊髄前角細胞の免疫染色を行い、caspase 3の発現により健側に比べて手術側でアポトーシスが増強していること、すなわち神経損傷モデルが確立できていることを確認中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
神経損傷モデルとして当初計画していた脊髄前根損傷モデルは、手術手技が難しく、後根の損傷を防ぐのが困難であることが判明し、両方の神経根の合流した末梢でのL5神経根の引き抜き損傷モデルに変更した。この間、2種類の手術手技の検討、修得に非常に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
L5神経根の引き抜き損傷により脊髄前角細胞に、細胞死が再現性よく誘発できる事を確認中である。これが確認できた後、鎮静薬投与による前角細胞の傷害の変化を検討してゆく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
神経損傷モデルの確立に時間を要したため、その結果の評価であるCa imagingや免疫染色などを実施する実験は数が少なかった。そのため、これらの実験に用いる試薬類、実験補助の人件費などが当初計画を大幅に下回った。 モデル確立後は、Ca imaging、免疫染色などを順次実施してゆく。これらの実験に使用する試薬、実験補助人件費などに差額を充てる予定である。
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