2015 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内膜症における瘢痕形成の病態解明と治療法の開発
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25462564
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
奈須 家栄 大分大学, 医学部, 教授 (30274757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 若菜 大分大学, 医学部, 助教 (30457618)
河野 康志 大分大学, 医学部, 准教授 (40274758)
楢原 久司 大分大学, 医学部, 教授 (60211447)
川野 由紀枝 大分大学, 医学部, 講師 (60516128)
弓削 彰利 大分大学, 医学部, 助教 (90452911) [Withdrawn]
甲斐 健太郎 大分大学, 医学部, 助教 (90457622)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 子宮内膜症 / コラーゲンゲル3次元培養法 / ゲルコントラクションアッセイ / Ras homology A / statin |
Outline of Annual Research Achievements |
月経周期に伴う子宮内膜の組織再構築の過程では、肉芽組織の形成がないこと、創傷修復の初期に血餅の形成が起こらないこと、瘢痕化が生じないことなどが、他の組織の創傷修復過程とは異なる。一方、子宮内膜の類似組織で構築される子宮内膜症では、強い線維化が起こり、瘢痕を形成する。子宮内膜症における線維化ではI型コラーゲンが産生され、過剰な線維化が生じることにより、細胞機能に異常を来たす。 我々は、子宮内膜症における瘢痕形成の実験モデルとして、コラーゲンゲルを用いた子宮内膜症間質細胞の3次元培養法を確立した。この手法を用いて、ゲルコントラクションアッセイを行うことにより、子宮内膜症の瘢痕形成の初期における細胞外マトリックス収縮の定量化が可能となった。その結果、子宮内膜症間質細胞は正常子宮内膜間質細胞に比べ、より強い細胞外マトリックス収縮能を有すること、α-smooth muscle actinを発現する筋線維芽細胞への分化が著明であること、Ras homology (Rho) A、Rho-associated coiled-coil-forming protein kinase (ROCK)-IおよびROCK-IIの発現が増強し、mevalonate-Rho-ROCK signaling pathwayが活性化していることが明らかとなった。さらにstatin、Y-27632、fasudilをはじめとするmevalonate-Rho-ROCK signaling pathwayの阻害剤は、子宮内膜症における瘢痕化を抑制することが分かった。 本年度は、これまでの基礎研究から得られたデータをもとに、HMG-CoA還元酵素阻害剤であるsimvastatinと、子宮内膜症に対する第1選択薬であるlow-dose estroprogestin製剤を用いたランダム化試験を行うため、研究計画の作成を行った。
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Research Products
(19 results)