2016 Fiscal Year Annual Research Report
A basic and clinical approach to risk factors of recurrent pregnancy loss – Identification of a novel antibody associated with seronegative obstetric antiphospholipid syndrome (SN-APS)
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25462578
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
竹下 俊行 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (60188175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑原 慶充 日本医科大学, 医学部, 准教授 (40373013)
峯 克也 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助手 (60409216) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 抗リン脂質抗体症候群 / 血清学的陰性 / 病態責任分子 / プロテオミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
臨床的に抗リン脂質抗体症候群(APS)の診断基準を満たすが血清学的にAPSの診断基準を満たさない不育症患者(Serologically negative-APS: SN-APS)患者(n=19: 既知血栓素因あり; プロテインS欠乏症・第ⅩⅡ因子欠乏症,・抗PE抗体陽性のいずれか陽性,n=13: 既知血栓素因なし)および流産歴のSN-APSない二回経産婦(n=4: Control)より末梢血を採取し、血清を分離保存した。精製血漿タンパクを抗原とし、コントロール血清およびSN-APS 患者3人の血清プールを一次抗体とした二次元免疫ブロッティングを行い、後者に特異的な反応性スポットを質量分析器により解析し、補体分子C9を同定した。市販の精製C9を抗原としたウェスタンブロッティング(WB)では抗原のアルキル化が必要である事が明らかとなり、この条件で個々の患者血清を用いたWBを行った結果、既知血栓素因を有さないSN-APS患者血清の2/13、既知血栓素因を認めるSN-APS患者血清の1/19 に反応を認めた。次に、本邦で約0.1%の頻度で認めるC9欠損症との関連を調べるために、ELSAにより各血清中のC9を定量したところ、抗C9抗体陽性検体と他の検体で差を認めなかった。また、抗C9抗体陽性検体のCH50値はいずれも正常範囲であり、精製C9の添加によって変化を示さず、機能的にもC9欠損症との関連は否定的と考えられた。Obstetrical APSには、補体活性制御の破綻が関与している事が知られている。本研究で示された、一部のSN-APS患者における抗C9自己抗体の検出は、同様の機序による流産既往を反映している可能性があり、今後臨床マーカーとしての有用性が示唆される。
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Research Products
(3 results)