2015 Fiscal Year Annual Research Report
卵巣癌に対するナノポリマー修飾新規ウイルス療法の開発
Project/Area Number |
25462597
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
那波 明宏 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授 (90242859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安川 正貴 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60127917)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 腫瘍溶解性ウイルス / ナノコーティング / 腹膜播種卵巣癌 / 葉酸レセプター |
Outline of Annual Research Achievements |
腹膜播種卵巣癌の5年生存率は依然低迷しており、化学療法に替わる新たな治療法の開発が望まれている。近年、腫瘍溶解性ウイルスを利用したウイルス療法が注目を集めており、固形癌に対する治験では奏功例も見られる。しかし、腹膜播種卵巣癌のように散在する癌組織に対するウイルス接種療法では、接種ウイルスが癌組織に到達する前に宿主免疫系により不活化されてしまい、癌組織にはほとんど到達しない。本研究では、高分子ポリマーで包埋した腫瘍溶解性ウイルスHF10を作製し、その宿主免疫回避能を解析した。また、卵巣癌の90%で葉酸レセプター(folate receptor; FOLR)が高発現していることから、ポリマー包埋HF10の表面に葉酸分子を結合させた卵巣癌標的ウイルス粒子を作製し、その特異性を解析した。 種々の高分子ポリマーを用いた解析の結果、感染性・細胞毒性の両面において、liposome包埋HF10が良好な結果を示した。また、gamma-globulinを用いた宿主免疫回避能の解析においても、liposome包埋HF10は良好な結果を示した。また、liposomeと葉酸を単純混合して結合させた葉酸修飾HF10では、FOLR発現細胞特異的な感染は示さなかった。クロスリンカーで結合させた葉酸修飾HF10ではFOLR発現細胞特異的な感染が一部見られたが、感染性は非常に弱く更なる改善が必要と考えられた。 また、in vivo評価系に用いる同系マウス卵巣癌由来細胞を用いた腹膜播種卵巣癌モデルを作製・改良し、宿主免疫存在下における腫瘍溶解性ウイルス療法の抗腫瘍効果解析が可能となった。
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[Journal Article] Lgr4 controls specialization of female gonads in mice.2015
Author(s)
Koizumi M, Oyama K, Yamakami Y, Kida T, Satoh R, Kato S, Hidema S, Oe T, Goto T, Clevers H, Nawa A, Nishimori K.
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Journal Title
Biol Reprod.
Volume: 93(4)
Pages: 90
DOI
Peer Reviewed