2015 Fiscal Year Annual Research Report
卵巣癌のCD24を介したEMT標的分子の解明とdrug delivery治療
Project/Area Number |
25462621
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
寺井 義人 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (90278531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 正美 大阪医科大学, 医学部, 講師 (00551748)
大道 正英 大阪医科大学, 医学部, 教授 (10283764)
田中 良道 大阪医科大学, 医学部, 助教 (10625502)
金村 昌徳 大阪医科大学, 医学部, その他 (40298782)
山下 能毅 大阪医科大学, 医学部, その他 (50268207)
恒遠 啓示 大阪医科大学, 医学部, 講師 (70388255)
田辺 晃子 大阪医科大学, 医学部, その他 (70454543)
兪 史夏 大阪医科大学, 医学部, 助教 (80625674)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 卵巣がん / EMT / CD24 / drug delivery system |
Outline of Annual Research Achievements |
【方法】CDDP耐性をもつ卵巣癌細胞株であるCaov3にGFP(Green Fluorescent Protein)を導入したCaov3-GFPを、週齢5週のヌードマウスの腹腔内に投与し、難治性卵巣癌の腹膜播種モデルを作製した。1)CDDP-CD24-LIPOにCY5.5(Cyanine5.5)を修飾させ、尾静脈投与を行い、蛍光生体イメージングでマウスの観察を行った。2)次にPBS、CDDP、CD24-CDDP-LIPOの組織移行性を検討するため、誘導結合プラズマ発光分析法(ICP-OES)を用いて、播種病巣、肝臓および腎臓におけるプラチナ濃度を治療後6時間後、24時間後、48時間後と経時的に測定した。3)最後にPBS群とCDDP群そしてCDDP-CD24-LIPO群に分配し、尾静脈からの薬剤投与を低用量で複数回行った。治療効果として各群の腹囲増加率と生存期間を計測した。 【成績】1)蛍光生体イメージングで観察したところ、GFP陽性の腹腔内腫瘍においてCY5.5の集積を認め、播種病巣への薬剤移行を認めた。また、肝臓および腎臓にCY5.5の集積を認めた。2)播種病巣のプラチナ残留濃度は24時間後(38.4±15.8 bpm vs 20.7±9.1 bpm)、48時間後(34.8±11.8 bpm vs 14.7±3.2 bpm)ともにCDDP-CD24-LIPO群がCDDP群に対して有意に高値であった(p<0.05)。CDDP-CD24-LIPO群は腎臓における濃度がCDDP群に比べ有意に低く、腎障害の回避が示唆される一方で、リポソームが分解される肝臓で有意に高かった。しかし、血中ALT値と肝臓の脂肪変性、巣状壊死において両群に差を認めなかった。3)CDDP-CD24-LIPO群の治療期間における腹囲増加は他の2群と比べ有意に軽減していた。さらに全生存期間はPBS群 46.8±9.9 日、CDDP群 47.8±7.4 日に対して、CDDP-CD24-LIPO群71.2±28.3 日と有意に延長を認めた(p<0.05)。 【結論】CDDP-CD24-LIPOは難治性卵巣癌の播種病巣への移行性が高く、優れた治療効果を認めた。CDDP-CD24-LIPOを用いた新たな卵巣癌分子標的療法が期待される。
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Research Products
(1 results)