2013 Fiscal Year Research-status Report
IgA腎症口蓋扁桃におけるBcl-2過剰発現と糖鎖不全IgA産生の関係について
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25462678
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
須長 寛 福井大学, 医学部, 特別研究員 (30362049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤枝 重治 福井大学, 医学部, 教授 (30238539)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | IgA腎症 / 口蓋扁桃 / リンパ球 / Bcl-2 |
Research Abstract |
IgA腎症の口蓋扁桃ではBcl-2蛋白の発現が亢進していることはすでに確認しているが、免疫組織化学染色で扁桃濾胞間隙での発現増強があるもののTリンパ球かBリンパ球かの区別は付いていなかった。まずBcl-2蛋白の発現増強細胞を同定する必要がある。口蓋扁桃を新規に購入した組織破砕装置を用いてホモジェナイズし、リンパ球をリンフォプレップを用いて分離した。次に磁気細胞分離法を用いてBリンパ球、CD4+T細胞、CD8+T細胞に分けた後に電気泳動法でBcl-2の発現を比較検討した。その結果IgA腎症口蓋扁桃由来のCD4+T細胞、CD8+T細胞ともに慢性扁桃炎口蓋扁桃よりもBcl-2蛋白の発現が増強していた。これはフローサイトメトリーでも同様な結果が確認された。また、real time PCRでも同様の結果であった。 Bcl-2過剰発現とと糖鎖不全IgA産生との関係を調べるに当たり、慢性扁桃炎口蓋扁桃(非IgA腎症)から分離したTリンパ球にbcl-2を遺伝子導入しBリンパ球と培養することで糖鎖不全IgAが産生されるかどうかの検討を行うこととした。しかし正常リンパ球に遺伝子導入を行うことが困難であり(遺伝子導入処置後の細胞生存が低率になるため)、逆にIgA腎症口蓋扁桃由来のTリンパ球にsiRNAを用いてbcl-2発現を抑制し、Bリンパ球との培養で糖鎖不全IgAの産生が抑制されるかどうかを検討することとした。用いるDahrmacon siRNA(Thermo scientific社)を用いることでbcl-2蛋白発現抑制が可能になるか検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
科学研究費により口蓋扁桃を確実に、効率よくホモジェナイズできる装置が購入でき、リンパ球単離の効率が飛躍的に向上し、順調に研究が推移しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
リンパ球でBcl-2 を過剰発現させる手法には困難を来しており、もっぱら過剰発現しているリンパ球に対しsi-RNAを用いた蛋白発現抑制のリンパ球を作成する試みを行っている。
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