2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25462723
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
大黒 浩 札幌医科大学, 医学部, 教授 (30203748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 晃 札幌医科大学, 医学部, 講師 (70136927)
平岡 美紀 札幌医科大学, 医学部, 講師 (80246983)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 癌関連網膜症 / 自己免疫網膜症 / molecul;ar mimicry / recoverin |
Outline of Annual Research Achievements |
癌患者の一部に腫瘍組織と神経組織に共通抗原が生じるためこれらに自己免疫を獲得し、種々の神経障害を呈するparaneoplastic syndrome(PNS)が知られている。 最近我々は良性腫瘍患者や全く全身に悪性腫瘍が無いにもかかわらず血清中に網膜自己抗体を有し、CARおよびMAR類似の網膜症の存在が明らかになってきた(Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol. 2012)。また我々の研究グループはMARではなくCAR患者の血清中にも血清抗TRPM1抗体を見出した(PLoS One. 2011;6(5):e19911. Doc Ophthalmol 2011;122:191-197.) 。以上のことから最近ではこれら血清中に抗網膜自己抗体を有する網膜症をまとめて自己免疫性網膜症(AIR: autoimmune retinopathy)と呼ぶようになってきている。しかしながら同時にこれらの知見は、AIRを理解するために以下の疑問が新たに湧いてきた。 そこで自己免疫性網膜症(AIR: autoimmune retinopathy)の発症機序を検討する目的で1)なぜ腫瘍の違い、癌、悪性黒色腫、良性腫瘍で類似のあるいは異なる網膜自己抗体ができるのか, 2)なぜ腫瘍が無いにもかかわらず、網膜自己抗体ができるのか?を明らかとするためにすでにCARおよび良性腫瘍で自己抗原として見出されているリカバリンとCAR およびMARで自己抗原として見出されているTRPM1についてA)どのような癌、良性腫瘍にリカバリンやTRPM1がどのような頻度で異所性発現するのか?B)リカバリンやTRPM1がどのような機序で癌に異所性発現するのか?C)癌に異所性発現したリカバリンやTRPM1がどのような機序により自己免疫を獲得するのか?D)腫瘍に関係ないAIRの自己免疫を獲得の可能性の一つとしてmolecular mimicry(分子相同性)の可能性について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度主要は研究課題として行う研究課題である癌に異所性発現したリカバリンおよびTRPM1による自己抗体産生機序の検討について当初予定していた実験条件の調整に思ったより時間がかかっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに癌関連網膜症などにおける発症機序の詳細な検討を元にこの2年間に行ってきた検討結果をもとに自己免疫性網膜症(AIR: autoimmune retinopathy)の発症機序をぜひ明らかとし、本症に対する有効な治療戦略のデザインすることや他の自己免疫病やPNSの病態の理解や治療戦略のデザインに役立てて行きたいと考えている。
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Causes of Carryover |
成果が予定より遅れたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
成果発表の旅費として使用予定。
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