2015 Fiscal Year Annual Research Report
視神経浮腫へのアクアポリンの関与と、その制御による治療効果の検討
Project/Area Number |
25462763
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
奥 英弘 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (90177163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福原 雅之 大阪医科大学, 医学部, 非常勤講師 (00238510) [Withdrawn]
小林 崇俊 大阪医科大学, 医学部, 講師 (10567093)
奥野 高司 大阪医科大学, 医学部, 非常勤講師 (20411366)
池田 恒彦 大阪医科大学, 医学部, 教授 (70222891)
石崎 英介 大阪医科大学, 医学部, 非常勤講師 (70530434) [Withdrawn]
高井 真司 大阪医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80288703)
喜田 照代 大阪医科大学, 医学部, 講師 (90610105)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | aquaporin / グルタミン酸 / 一酸化窒素 / 視神経挫滅 / アストロサイト |
Outline of Annual Research Achievements |
ラット視神経挫滅モデルを用いて、視神経損傷とaquaporin (AQP) 発現変化を検討した。その結果、AQP4は視神経損傷直後に一過性に発現が亢進し、視神経浮腫の原因と考えられた。 一方、一酸化窒素(NO)は培養アストロサイトの実験系でAQP4発現亢進と細胞容積の増大を惹起し、cytotoxic edemaをひきおこすと考えられた。その機序として、NOがguanylate cyclaseを活性化し、cGMPからprotein kinase Gを介した系が働いていることが明らかになった。視神経損傷時にはグルタミン酸とともにNOも発生するので、視神経挫滅でみられた受傷直後のAQP4発現亢進の原因と考えられた。 次いでラット視神経挫滅直後にTGN-020でAQP4を抑制し、その効果を免疫組織学的、生化学的に検討した。その結果、TGN-020投与群では、視神経挫滅後に生じる網膜神経節細胞死が、プラセボ群に比較して顕著に認められ、BAX, Bcl-2遺伝子発現の結果からも神経障害的に作用することが明らかになった。その原因として、グルタミン酸の代謝にAQP4が関与している可能性を検証した。 実際に視神経挫滅により、組織内グルタミン酸濃度が上昇していた。グルタミン酸を代謝するグルタミン酸合成酵素およびGLASTの発現は、TGN-020投与群で有意に抑制された。さらに視神経培養アストロサイトを用いたin vitroの実験系でも、TGN-020によりグルタミン酸代謝が抑制される結果が得られた。 これらの結果から、AQP4は外傷による視神経浮腫の原因として重要であるが、AQP4チャネルはグルタミン酸代謝にも深く関与し、同チャネルの阻害はグルタミン酸毒性を増強する可能性が高いことが示唆された。
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Research Products
(3 results)