2015 Fiscal Year Annual Research Report
ケロイド、肥厚性瘢痕における血球由来間葉系前駆細胞の分化発現異常の解析
Project/Area Number |
25462804
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
大西 清 東邦大学, 医学部, 教授 (30194228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤坂 喜清 東邦大学, 医学部, 教授 (60202511)
岡田 恵美 東邦大学, 医学部, 准教授 (50318242)
今泉 りさ 東邦大学, 医学部, 准修練医 (20453847)
猪股 直美 東邦大学, 医学部, シニアレジデント (10439937) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 創傷治癒 / Fibrocyte / 細胞・組織 / bFGF/FGFR1 system |
Outline of Annual Research Achievements |
骨髄間葉系前駆細胞 (Fibrocyte)の細胞外基質産生能がin vitroで証明され、骨髄細胞による組織修復能が実証された。しかし創傷治癒期の修復組織におけるFibrocyteの機能や細胞特異性は不明である。我々はBasic fibroblast growth factor (bFGF)を投与した修復組織の血管新生促進過程で3種類のFibrocyteを同定した。これらの発現特異性を検討し、修復組織の血管新生における同細胞の関与を明らかにした。 SDラット (雄、12週齢)の全層性皮膚潰瘍にBasic fibroblast growth factor (bFGF: 10μg/cm2)を投与し、2、4、6、7、14、21日後に潰瘍部の修復組織を採取した。CD34、CD45、CD11bとpro-collagen Iの蛍光二重染色から修復組織内の3種類のFibrocyteを同定し、血管新生促進過程における各Fibrocyteの発現性と新生血管との関係を経時的に解析した。CD34+/pro-collagen I+ fibrocyteはbFGF投与4日後に緩やかな細胞網を形成し始め、6日後には血管内皮に似た管腔様構造を示した。統計学的にはbFGF投与4、6、7日後にCD34+/pro-collagen I+ fibrocyteはコントロールに比して有意な増加を認めた (p<0.05)。しかしCD45+/pro-collagen I+ fibrocyteとCD11b+/pro-collagen I+ fibrocyteではbFGFによる有意な発現増加はなく、これらの細胞が血管様構造を形成することもなかった。さらにFGFR1siRNAの遺伝子導入実験から修復組織のFGFR1阻害によるCD34+/pro-collagen I+ fibrocyteの発現性を検証した。FGFR1阻害により、bFGFが誘導するCD34+/pro-collagen I+ fibrocyteの血管様構造形成は著しい抑制を認めた。 したがってbFGFはCD34+/pro-collagen I+ fibrocyteを特異的に誘導し、同細胞による血管形成にbFGF/ FGFR1システムが関与していることが示唆された。このことから新生血管におけるCD34+/pro-collagen I+ fibrocyteの直接的参画が明らかになった。
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Research Products
(3 results)