2015 Fiscal Year Annual Research Report
乳癌細胞由来Klotho下流因子による骨・歯の石灰化調節についての研究
Project/Area Number |
25462858
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
南崎 朋子 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 助教 (30452593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉子 裕二 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 教授 (20263709)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 骨転移 / 細胞・組織 / がん細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本件申請者らはこれまで、老化関連タンパクKlothoの分泌型(soluble KL, sKL)が骨細胞由来線維芽細胞増殖因子(FGF)23と協働して歯や骨形成を直接制御することを発表してきた。最近、Klothoが癌細胞で発現し、自らの増殖を調節することが発表された(Ex. Oncogene,27,7094-105,2008)。これらの癌細胞は骨転移を好発する共通点があり、本件申請者は、骨転移巣において癌細胞と骨細胞がKlotho-FGF23基軸を形成すると推定した。この基軸の特異的下流因子を明らかにし、Klotho-FGF23シグナルを調節することで転移巣の拡大を防ぎ、骨質を守るための治療法解明に向けた基礎研究を行うこととした。 乳がん細胞および正常細胞由来sKLはいずれもFGF23およびFGF受容体と複合体を形成し、骨芽細胞においてERK経路のシグナル伝達を行うことを確認し、下流因子Xを同定した。合成XペプチドはKlotho変異マウスの骨組織において強い局在が認められた。 乳がんおよび前立腺がんの骨転移モデルマウスを4種類作製し、Klotho、合成Xペプチドおよび抗Xポリクローナル抗体を静脈注射あるいは浸透圧ポンプで導入し、骨転移への影響を確認したところ、Klothoはいずれのモデルにおいてもがん細胞の増殖を抑制し、Xペプチドは前立腺がん細胞の増殖を抑制した。一方、抗ポリクローナル抗体についてはいずれのモデルマウスにおいても影響が見られなかった。 これにより、KlothoおよびXペプチドを用いたがんの骨転移治療への応用が期待される。抗体治療については、モノクローナル抗体の作製が望ましいと考えられた。
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Research Products
(3 results)