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2013 Fiscal Year Research-status Report

口腔病変における癌/上皮幹細胞への微小環境の作用

Research Project

Project/Area Number 25462864
Research InstitutionNagasaki University

Principal Investigator

藤田 修一  長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (00181355)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords癌幹細胞 / 微小環境 / 転移 / 腫瘍関連マクロファージ / CD204 / 癌関連線維芽細胞
Research Abstract

初年度は、口腔扁平上皮癌での癌幹細胞と微小環境の検討を行った。研究実施計画では癌原発での微小環境を検討する予定であったが、口腔癌は癌性潰瘍を形成することがほとんどで、間質での潰瘍による炎症性変化を排除するため、原発と共に転移リンパ節を中心に免疫組織化学的に解析した。用いた抗体も、癌幹細胞や微小環境細胞の新知見をもとに、当初考えていたものと若干異なるが、癌幹細胞のマーカーとして、E-cadherin, CD44, ALDH、微小環境形成細胞として、CD204、α-SMA、微小環境形成因子としてCTGF(connective tissue growth factor, CCN2)を用いた。
扁平上皮癌転移巣では実質に癌幹細胞マーカー・CTGF陽性細胞が豊富にみられ、原発での腫瘍周囲の異形成上皮にもCTGFの発現がみられた。原発及びリンパ節転移でも間質にα-SMA陽性の癌関連線維芽細胞が出現していた。特に、CD204陽性マクロファージは転移リンパ節に高率に認められ、腫瘍実質周囲だけでなく、癌細胞間にも散見され、癌幹細胞との親和性が示唆された。
この結果は、扁平上皮癌の癌細胞はCTGFの発現により、微小環境の形成そのものに関係していることを示し、リンパ節転移では、CD204陽性マクロファージが重要な役割を果たしているとみなされる。しかしながら、CD204陽性マクロファージが、転移に先立ってリンパ節に増加しているのか不明でる。これを解明するために、現在、症例数を増加し、リンパ節転移のある症例では転移陽性リンパ節と陰性リンパ節、リンパ節転移のない症例でのリンパ節の3群で、微小環境形成細胞の種類、量、分布の相違がないか検討している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

初年度は組織学的解析を中心に研究を実施する予定であり、順調に遂行できている。

Strategy for Future Research Activity

組織学的検索から、扁平上皮癌の増殖・転移が癌関連線維芽細胞(CAF)や腫瘍関連マクロファージ(TAM)に関係していることが推定された。特に、M2マクロファージの1つであるCD204陽性マクロファージがリンパ節転移に関係していることが考えられるので、症例数を増やして確定できる根拠を得たい。また、新鮮材料が入手できれば分子生物学的解析を行う。
具体的には、リンパ節転移のある症例とない症例間で、リンパ節にCD204陽性マクロファージの量・分布の差異があるのか検討する。転移のない症例でのリンパ節、転移のある症例での転移リンパ節、及び周囲の転移のないリンパ節の3群間で差異があれば、CD204陽性マクロファージが扁平上皮癌のリンパ節転移を誘導していることが考えられ、リンパ節転移機構のモデルを提唱できるかもしれない。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

当初計画していた、情報収集のための旅費・学会旅費が出張回数が少なくてすんだことから、旅費を全額消化していない。学会参加費を「その他」として計上していたが、上記の理由で消化しきっていない。また、購入したツァイス顕微鏡デジタルカメラ一式に、所有していたパソコンを制御用コンビュータとして用いたため、当初の計画より少額ですんだ。
26年度は組織学的解析ととも分子生物学的解析も開始したいので、消耗品の費用が更に必要である。また、上記の顕微鏡カメラの制御パソコンがWindows XPであるので、更新を予定している。

URL: 

Published: 2015-05-28  

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