2014 Fiscal Year Research-status Report
口腔癌細胞におけるアポトーシス制御因子GRIM19の発現制御機構
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25462929
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
森 一将 明海大学, 歯学部, 講師 (80372902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大森 喜弘 明海大学, 歯学部, 教授 (50194311)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 扁平上皮癌 / アポトーシス / GRIM-19 / STAT3 / IFN / Lactacystin / rapamycin |
Outline of Annual Research Achievements |
GRIM-19はインターフェロンβ (IFNβ)およびレチノイン酸 (RA)の共刺激により誘導されるアポトーシス制御因子である. GRIM-19は,EGFなどの成長因子のシグナル伝達に関与する転写因子STAT3と結合し,STAT3依存性の遺伝子発現を抑制することにより癌細胞の増殖を抑制し,アポトーシスを誘導することが報告されている。これまで口腔扁平上皮癌細胞株におけるGRIM-19遺伝子の発現制御機構の解析を行い,Ca9-22細胞ではIFNβ,RAによる共刺激でタンパク質レベルでのGRIM-19の発現が誘導されたが,HSC-2細胞では認められなかった. そこで遺伝子発現について検討したところ,両細胞ともに恒常的なGRIM-19のmRNAの発現が認められ, IFNβ, RAによる共刺激での有意なGRIM-19のmRNAの発現上昇は認められなかった. これらの結果から,Ca9-22細胞におけるIFNβ,RA共刺激によるGRIM-19のタンパク質レベルでの発現誘導には1. 転写後の翻訳調節および2. タンパク質分解系(ユビキチン・プロテアソーム系ならびにオートファジー)が関与している可能性が示唆された. そこで、本年度はタンパク質分解系、特にオートファジーの関与について検討を行った。オートファジー阻害剤である3MAにて前処理した後、IFNβおよびRAにて共刺激後ウェスタンブロット法にて検討した結果、GRIM19の発現が増強した。このことからGRIM19の発現にオートファジーが関与している可能性が示唆された。現在、GRIM19はミトコンドリアに局在していることから、ミトコンドリア分画におけるGRIM19の発現およびオートファゴソームとGRIM19の局在について検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
GRIM19の発現にタンパク分解系が関与している可能性が示唆されていることから、今年度はオートファジーの関与について検討を行っていたため、前年度行う予定だったGRIM-19の低発現および高発現株におけるGRIM-19 mRNA コード領域の塩基配列の検討が行えなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度行うことのできなかったGRIM-19の低発現および高発現株におけるGRIM-19 mRNA コード領域の塩基配列の検討を行い、かつGRIM19のオートファージーとの関連性について詳細に検討を行う。
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Causes of Carryover |
前年度行なう予定であったGRIM-19の低発現および高発現株におけるGRIM-19mRNAコード領域の塩基配列の検討が実施できなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度前年度行なう予定であったGRIM-19の低発現および高発現株におけるGRIM-19mRNAコード領域の塩基配列の検討を行なう。また、これまでの解析結果からGRIM-19の発現にオートファジーが関与している可能性が示唆されたことから、ミトコンドリア分画におけるGRIM-19の発現およびオートファゴソームとGRIM19の局在について検討を行う予定である。
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