2013 Fiscal Year Research-status Report
弱い持続性噛みしめによる咀嚼筋痛の発生に脳活動はどのように関与するか
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25462939
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
有地 榮一郎 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (00150459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有地 淑子 愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (60232063)
佐久間 重光 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (80271386)
中山 美和 愛知学院大学, 歯学部, 助教 (10609879)
木瀬 祥貴 愛知学院大学, 歯学部, 助教 (30513197)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 咀嚼筋 / 筋痛 / 顎関節症 / fMRI / 脳活性 / かみしめ |
Research Abstract |
顎関節症においては咬筋などの筋痛が一つの病態として捉えられるが、これまでの研究で、私たちは、咬筋の浮腫性変化がこの病態に関連することを立証した。実験的には比較的弱い持続的なかみしめで浮腫が起こることは確認できたが、実際の患者では、局所的な収縮だけでは説明がつきにくい症例があり、脳の働きの関与があるのではないかと考えられた。強い噛み締めを行うと、脳は咀嚼筋の収縮を抑制する方向に働くと考えられるが、弱い噛みしめではこの抑制が働かないのではないかと私たちは考えた。以上より、顎関節症における筋痛の発生と悩活性の関係を解析するため、今回の研究では「強い噛みしめ時とは異なり、弱い力の噛みしめ時には悩活性も低く、中枢からの筋収縮の抑制は少ない。従って弱い力の持続的なかみしめによって咀嚼筋痛が引き起こされる。」という仮説を設定した。この仮説を検証するためにまずは咬合力の違いによって脳活性が異なることを検証することとした。平成25年度は6名のボランティア(男性4名、女性2名、平均年齢38.5歳)を対象に、最大咬合力の10%および40%の力で1分間の咬合をしたときの、悩活性の違いをfMRIを用いて解析した。3TのMRI(MAGNETOM, Siemens)を使用した。噛み締めの強さは事前に項合計を使用して練習を行い、MRI装置の中に入った状態で行った。その結果、個人間のばらつきは比較的大きいものの、40%噛みしめでは活性化される領域が増加していた。また、活性の強度を示す、信号も40%では増加していることが確認できた。持続的な噛み締めのモデルではないが、噛み締めの強さによって、悩活性に差があることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最初の段階として、咬合力の違いによって脳活性の違いが発生する可能性があることが検証できた。
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Strategy for Future Research Activity |
持続噛み締めのモデルを作ることが仮題といえる。これには装置的に種々の制約を受けるfMRIよりも近赤外線分光法(NIRS)を使用した装置の方が適しているかもしれない。この装置を使用した研究計画を企画している。また、局所的な原因が強いものとそうでない症例との判別に関して超音波elastographyが応用できるか否かを検証していく。
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Research Products
(4 results)