2013 Fiscal Year Research-status Report
在宅診療にも応用できる,難症例に対する簡便な全部床義歯製作システムの確立
Project/Area Number |
25462989
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
金田 恒 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (60322103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
昆 はるか 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (40447636)
櫻井 直樹 新潟大学, 医歯学系, 助教 (50251830)
野村 修一 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40018859)
小林 博 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (00225533)
佐藤 直子 (五十嵐 直子) 新潟大学, 医歯学系, 助教 (20313520)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 在宅診療 |
Research Abstract |
平成25年度は,Biofunctional Prosthetic Systemを在宅診療用に改変するため,本システムの印象材や概形印象用のトレーなどを利用し,診療室で試行した.システムを理解し,その後改変する必要があったため,分担研究者2名と大学院生1名を大阪大学の主催するワークショップに参加させた.診療室での試行に加え,新潟大学医歯学総合病院医学科より下顎無歯顎患者の往診依頼があったため,病室内でBPSシステムを一部準用して義歯製作を行った.概形印象時には,BPSが推奨する印象材を用いたが,アルジネート印象材は粉と水をその場で練和しなければならないという問題があり,ソフトフレックス(シリコン印象材)は練和をしないで済むという点で優れる事が明らかになった.しかし,一方で、ソフトフレックスは稠度を調節することができないという点で,印象の成否は術者の経験に依存する可能性のあることがわかった.咬合床付の印象用トレーを用いたため,最終印象と咬合採得を1回の訪問で行え,診療回数を減らすことができ,訪問診療では有効であろう事が考えられた.一方装着後,調整回数がどの程度必要かは今後も経過を追うことが必要である.更に,新たな義歯製作方法と従来法を比較するための,検査方法について現在試行中である.これまでの報告から,従来法とBPSで製作した際,印象採得により得られる印象面積が異なる事などが報告がされている.しかし,本研究課題では,新たな義歯製作方法が従来の義歯製作方法と比較し,訪問歯科診療においてすぐれていることを明らかにしたいため,咀嚼,嚥下,発話などの機能が従来型義歯よりすぐれることを示したい.そのための検査方法を試行している.現在,診療室内での試行では,咀嚼機能検査と咀嚼パターンを検査しているが,訪問診療を行う際には,持ち出せない検査機器もあり,その方法をどのように行うか検討中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
比較的難易度の低いな症例でシステム改変に関するデータを収集したかったが,義歯の専門診療科では難症例が多く均質なデータを得るのが難しい状況であった.来年度は,他の診療科に依頼し,比較的難易度の低い症例を紹介していただくなどの対策を取る予定である.しかし,BPSを一部改変した全部床義歯製作法で2名,上下全部床義歯を製作し,定期健診までにかかる診療回数は従来での全部床義歯製作方法と比較し少ないことは明らかになっている.さらに,訪問診療での試行については,はじめは新潟大学医歯学総合病院医科からの往診依頼に対応することで行うことが予定していたが,全部床義歯症例が予想よりかなり少ないことに加え,退院後は新潟県内の遠方在住者は予後が追えないなどの問題があることが明らかになった.今後は学外の施設に協力を要請する予定で,準備を進めている.
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Strategy for Future Research Activity |
現在専門外来のみの患者を対象にしているが,他科とも連携し,本研究に適した患者の収集に努める.訪問診療に本義歯製作法を適応するための施設への協力要請と,倫理面での手続きを進める.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定していたより,比較的難易度の低い上下無歯顎患者が年度内に集められなかった.更には,BPSを改変するのに,研究分担者がBPSのオリジナルについて知識が不足しており,大阪大学でのワークショップに参加させるなど,それらの技術知識取得に時間を要したことが研究の遅延につながり,26年度に準備が整った状態で研究費を使用することにした. 分担者を新たに加え,データ数を増やす.
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