2014 Fiscal Year Research-status Report
ICT(情報通信技術)とピエゾセンサーを融合した在宅嚥下機能評価訓練システム開発
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25462990
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
櫻井 直樹 新潟大学, 医歯学系, 助教 (50251830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 博 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (00225533)
野村 修一 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40018859) [Withdrawn]
木村 慎二 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (40361901)
昆 はるか 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (40447636)
堀 潤一 新潟大学, 自然科学系, 教授 (80209262)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 摂食嚥下 / ピエゾセンサー / 嚥下障害 / 在宅患者 / インターネット / 遠隔医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
Ⅰ. 目的 我々は、非侵襲的にかつ簡便に嚥下機能を評価する方法として、ピエゾセンサーから出力された電圧とVF画像とを同時記録して、ピエゾセンサーからの電圧波形と舌骨の動きが関連することを報告してきた。以上の先行研究の結果から、在宅の患者での使用を考慮し、小型でピエゾセンサーを用いた嚥下機能評価訓練装置を試作した。本装置は、頸部に貼付したピエゾセンサーの電圧値から嚥下運動を判定し、その回数を自動的に計測する機能も付与して、嚥下機能評価訓練装置として試作した。反復唾液嚥下試験(RSST)を行う際にこの装置を利用した検査が可能になるように設計した。正常者の嚥下機能が試作機で評価可能かの検討に加えて、この試作機の精度に影響を与える生体側の因子について検討した。 Ⅱ. 方法 被験者は、顎口腔機能に異常を認めず、嚥下困難感がなく、正常嚥下が可能な健康成人24名とした。試作機を使用してRSSTを行い、被験者の嚥下運動に対する自覚回数と試作機で計測された嚥下回数の一致率を検討した。さらに、年齢、BMI、頸部周囲長と一致率との関係を分析した。 Ⅲ. 結果と考察 RSSTでの自覚嚥下回数と本試作機で計測された嚥下回数の一致率は83.8(%)であった。一致率はBMIと年齢の影響を受けた。また、一致率に男女差はみられず、頸部周囲長の影響は受けなかった。肥満傾向が強くなると、皮膚上から舌骨の動きをセンサーが感知しにくくなることが推測された。本試作機では、センサーの湾曲の大きさから出力される電圧値によって、嚥下機能の評価が行える可能性が示された。この結果から試作機の改良をおこなった。また、患者が在宅での使用を想定したインターネットを介した遠隔診断支援の併用も今後の課題であり、IPTV電話を利用した遠隔医療についても予備実験を行い、学会報告した。 今後、システム開発を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ピエゾセンサーでの診断精度に影響する因子に検討をしており、実験から明らかになったことを応用して、試作機の改良を行った。インターネットを経由して行う遠隔医療の基礎研究では、システムの基礎実験を行って報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
ピエゾセンサーを用いた遠隔医療システムについて開発を進める。ピエゾセンサーの精度に与える因子についても、いくつか明らかになってきたので、これらの因子に対応できるような診断装置の試作機製作やシステム開発を行う予定である。
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Causes of Carryover |
当初の計画では、嚥下機能評価訓練装置試作機の精度検定が早く終了して、新たな試作機を製作する予定であったが、予想以上に精度に影響を与える因子が多いことが明らかになり、これに関して追加実験を行い、新製作でなく、使用額が小さい試作機の改良を行ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
精度に与える因子を考慮した試作機の製作やシステム開発を行う予定である。在宅高齢者が使用することを想定し、必要性があれば、さらなる試作機の製作や改良を行ってく。
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