2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25462992
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小野 和宏 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40224266)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 誠 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00303131)
谷口 裕重 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (80529636) [Withdrawn]
真柄 仁 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (90452060)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | リハビリテーション / 歯学 / 嚥下障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,エックス線透視画像の解析を通して,舌骨・喉頭下垂や食塊移送と嚥下機能との関連,さらには実際の舌圧発揮能力と嚥下機能との関連を調べるた.平成26年度は,摂食嚥下障害患者65名,対照として健常若年者および高齢者を比較したところ,患者群では食塊移送時間が口腔,咽頭ともに延長しており,更に食塊の咽頭流入は嚥下反射惹起を示す急速な舌骨挙上と比べ有意に先行していたのに対して,舌骨位の違いは認めなかった.また,嚥下反射以降は各疾患とも類似した舌骨の動きが認められたが,嚥下反射前は複雑な軌跡を示し,このうち,関連する神経筋群に限局した障害をもたない呼吸器疾患群や健常高齢者では,嚥下反射惹起前の舌骨の移動距離と移動時間に正の相関関係が認められた.このことは,安静時の舌骨位が嚥下反射惹起遅延に影響を与えている可能性が考えられた. 平成27年度では,舌の力の発揮による食塊移送との関係を調べた.摂食嚥下障害患者33名,対照として健常若年者10名を対象として,随意性の舌圧最大値と食塊移送を2群間で比較したところ,舌尖部圧は健常者が口腔腫瘍術後患者,神経筋変性疾患患者よりも有意に高く,奥舌圧は,口腔腫瘍術後<神経筋変性疾患<健常者の順に高かった.神経筋変性疾患に注目すると,舌尖に比べ奥舌で有意に弱かった.嚥下後の残留の有無を基準とすると,特に舌尖部の最大値舌圧低下が顕著であった.舌圧最大値と舌圧の持続時間は,特に神経筋変性疾患では,舌尖部に比べ奥舌部の機能低下が有意に認められた.神経筋変性疾患である多系統萎縮症においては,舌圧発現の持続時間の特徴から,舌圧測定の結果が神経筋変性疾患の病期や嚥下機能の指標となる可能性が考えられた.喉頭蓋谷や梨状窩の咽頭残留が多い患者群は,残留の少ない患者群に比べ,舌圧が低下していた.咽頭残留量との関係については,更なる体系的な検討が必要である.
|
Research Products
(1 results)