2015 Fiscal Year Annual Research Report
PPARγアンタゴニストの閉塞性睡眠時無呼吸症治療薬としての可能性の検討
Project/Area Number |
25463035
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
飯田 良平 鶴見大学, 歯学部, 助教 (70339810)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山根 明 鶴見大学, 歯学部, 教授 (20166763) [Withdrawn]
小川 匠 鶴見大学, 歯学部, 教授 (20267537)
安藤 準 鶴見大学, 歯学部, 講師 (00282765)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | PPAR / クレンブテロール / IGF-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、高脂肪食を摂取させて肥満したラットに、PPARγのアンタゴニストであるHX531を投与し、咬筋、顎二腹筋、舌外筋、舌内筋などの口腔周囲筋群の脂肪の蓄積に肥大を抑制することにより、上気道体積の減少を抑制しOSAの治療薬として使用可能かどうかを検討することである。HX531と同様な機能を有するアンタゴニストであるクレンブテロールをラットに投与し、咬筋量の変化を調べたところ、クレンブテロール経口投与群の体重は、対照群と同様に21日目まで一貫して増加したが、咬筋筋繊維の最小直径は14日目以降増加が停止した。対照群では咬筋筋繊維最小直径も増加し続けた。14日目以降の咬筋の肥大をクレンブテロールが抑制させる働きを有することが確認され、従って咬筋の筋量調節にも関わるクレンブテロールは睡眠時無呼吸症候群の治療薬として使用出来る可能性があることが示唆された。次いでクレンブテロールが口腔周囲筋の筋量調節するメカニズムについて解析を行った。咬筋におけるインスリン様増殖因子(IGF-1)の発現量が著しく増加した。またマイオスタチン発現量はクレンブテロール投与により顕著な変化は見られなかった。そこでIGF-1をターゲットとするmicroRNAであるmiR-206 mimic をクレンブテロールと同時に投与すると、14日目から21日目の間の筋肥大がやや回復した。これより、クレンブテロールの咬筋肥大抑制における作用機序の1つにIGF-1の発現量増加があると考えられた。さらに、咬筋が肥大すると気道容積が減少し、これにより睡眠時無呼吸症候群が発症することを確認するために、咬筋肥大と気道容積変化の関係の解析を試みた。マイクロCT画像の三次元立体構築による気道容積の測定を行なったが、個体差が非常に大きく、両者の明らかな関係を示すことはできなかった。
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