2014 Fiscal Year Research-status Report
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25463061
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
松本 尚之 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (70199884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 典也 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (20228430)
馬場 俊輔 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (40275227)
岡田 正弘 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (70416220)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 歯周組織再生 / 細胞遮断膜 / 生体吸収性高分子 / ハイドロキシアパタイト / ナノ粒子 / 表面構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、歯周組織再生のための次世代型細胞遮断膜の創出を目指し、エレクトロスピニング法による生体吸収性高分子メッシュの表面構造制御とその機能評価を行うものである。 平成26年度においては、まず、生体組織接着性に優れるアパタイトナノ結晶の分散性を向上させるために、均一系固相反応をベースとした新規合成法の開発を行った。アニオン性高分子を溶解した水溶液中にアパタイトの原料となるカルシウムイオンとリン酸イオンを溶解して得られた溶液を乾燥した透明ゲルを焼成し、この際のカルシウム/リン酸の比率を変化させた。その結果、カルシウム/リン酸比を高くすることで分散性に優れるアパタイトナノ結晶の合成に成功した。前年度においてエレクトロスピニング法により製作した表面凹凸構造を付与した生体吸収性高分子メッシュを上記アパタイトナノ結晶分散液に浸漬することでアパタイトナノ結晶コーティングを行った。この際、アパタイトナノ結晶の濃度を変化させることで表面被覆率の制御に成功した。 次に、各条件で製作した生体吸収性高分子メッシュの分解挙動について、37℃のリン酸緩衝液中に浸漬した後の重量変化から評価した。その結果、メッシュ表面に形成させたサブミクロンサイズの凹凸は分解挙動に大きな影響を与えないことが確認できた。さらに、線維芽細胞および骨芽細胞様細胞を用いて評価した結果、表面に凹凸を形成した生体吸収性高分子メッシュは高い細胞初期接着性および細胞増殖性を示すことが明らかとなった。 以上のように、平成26年度の検討によって、アパタイトナノ結晶コーティング生体吸収性高分子メッシュの製作に成功し、その表面構造が物性に与える影響を明らかとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度においては、アパタイトナノ結晶コーティング生体吸収性高分子メッシュの製作および表面構造が物性に与える影響を明らかすることを目的とした。「研究実績の概要」に記載したように、当初の目的を達成したため、「(2)おおむね順調」と自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
各条件で製作した生体吸収性高分子メッシュの機械的特性を評価し、さらに、細胞の初期接着性および増殖性についてより詳細な検討を行うことで、アパタイトナノ結晶の被覆状態と材料特性の関係を導き出し、細胞機能発現に係るナノ構造の影響について明らかにする。さらに、得られた結果を製作プロセスにフィードバックすることで表面ナノ構造の改善を行い、歯周組織再生のために最適な細胞遮断膜の開発達成を目指す。 ラット頭蓋冠の中心に直径9mm、深さ1mmのクリティカルサイズの骨欠損を形成し、αリン酸三カルシウム を充填後、構造を変化させた細胞遮断膜で覆い、2,4,8週後に、屠殺し、マイクロCTを用いたX線学的、病理組織学的、分子生物学的に解析を行う。
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Causes of Carryover |
次年度において必要となる生体吸収性高分子の購入および作製のため、物品の購入を控えたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の研究費は、生体吸収性高分子メッシュならびにアパタイトの製作、および、製作した材料の生物学的特性評価に係る消耗品費を中心とする。
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Research Products
(3 results)