2015 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄幹細胞由来培養細胞上清を用いた放射線性皮膚炎治療法の研究
Project/Area Number |
25463080
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西川 雅也 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (10635593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 実 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00151803) [Withdrawn]
山本 憲幸 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (60378156)
古江 浩樹 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (40567012) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 放射線性皮膚炎 / 培養上清 |
Outline of Annual Research Achievements |
いままでに培養上清を用いた放射線性皮膚炎の治療法を探索してきた。 当初計画にある、腫瘍細胞に対する培養上清成分の安全性の検討を行った。培地に培養上清を添加した群と添加していない群では、腫瘍細胞の増殖能に変化は認められなかった。この結果から、培養上清成分は腫瘍細胞に対して異常増殖を促す効果はないことが明らかになった。 次いで、放射線性皮膚炎の動物実験モデルを作成し培養上清の局所投与を試みたが、それに対する治療効果は認められなかった。そこで、培養上清の投与方法に着目し、その検討を行った。これまでの投与法は培養上清の皮下注射であったが、表皮への塗布、経静脈的投与を試みた。しかし,放射線性皮膚炎に対しての治療効果は認められなかった。また、培養上清の濃度も検討を行ったが、治療効果は認められなかった。 そこで、培養上清を作製する細胞の種類の変更を試みた。いままでは、骨髄間質細胞由来の培養上清を使用していたが,歯髄幹細胞に変更をした。同様に動物実験を行ったが、治療効果は認められなかった。 治療効果判定を臨床所見の分類のみで行っており、その判定の信用性にかける点があったため、放射線性皮膚炎の分子マーカーの探索を行うこととし、放射線性皮膚炎発症のメカニズムの検討を行った。 本研究にて放射線性皮膚炎の治療効果判定が困難であり、その原因は、放射線性皮膚炎の分子マーカーがないことであると考えられた。これを探索していくことは今後、診断、治療指針、予防法に応用できる可能性があるため有意義であると考えられた。
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